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2017年3月27日

喫煙と糖尿病(その1)

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Ⅰ はじめに
 
 世界的に喫煙の健康に及ぼす害が叫ばれている中、2016年世界保健機構(WHO)が発表した世界保険統計2016によると、タバコの喫煙率世界1位は男性がインドネシアで76.2%、女性はナウルで52.0%でした。我が国は男性が喫煙率33.7%で60位、女性が喫煙率10.6%で58位となっています。中国と韓国は、男性は日本より喫煙率は高いが、女性は日本より喫煙率が低い結果と成っています。またアメリカは、男性は日本より喫煙率が低いが、女性が日本より高いとされています。我が国の喫煙率は年々低下してきていますが、先進国の中ではまだまだ高いといえます。先進国の中で男性の喫煙率が最も低いのは、2009年の調査では、スウェーデン12.8%で、当時の我が国の男性喫煙率は38.2%でしたから、先進国の中では遅れている方といえます。
 糖尿病患者の喫煙率に関しては、非糖尿病者と同じか、あるいはそれ以上であるとの調査結果もあります。糖尿病患者では、高血糖や高インスリン血症を基盤としたさまざまな代謝異常が生じやすいために、高脂血症、高血圧症などの多くの危険因子が集積し、非糖尿病者に比べて動脈硬化の進展が早いとされています。喫煙は、このような代謝異常とは異なる動脈興亜の独立した危険因子であり、糖尿病患者が喫煙することは、動脈硬化症の発症や進展を一層助長して、死亡率の増大に繋がるとされています。

Ⅱ 糖尿病患者の喫煙と死亡率
 
 米国で行われた女性2型糖尿病患者7401名を20年間追跡調査した研究によると、死亡率は喫煙本数と共に上昇するとのことです。また、非糖尿病者に比べて糖尿病患者の死亡率は数倍高いとの結果でした。その危険度波を計算すると、非喫煙者に対して過去に喫煙したことがある糖尿病患者では1.31倍、現在喫煙している者で1日35本以上喫煙している女性では2.19倍という結果で、1日の喫煙本数に応じて危険度が増大してくるとのことでした。しかし、10年以上禁煙することで、その危険度はほぼ喫煙経験のない者と同じになるとの結果も示され、早期に禁煙することの効果がはっきりと示されました。

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