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2021年2月15日

変形性膝関節症(その2)

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Ⅳ 変形性膝関節症に対する保存療法
 
変形性膝関節症は、病状が悪化すれば外科的治療が必要になることもありますが、できるだけ手術以外の保存療法で進行を予防し、症状を緩和させることが重要です。変形性膝関節症は変形性股関節症より罹患率は高いのですが、手術件数はこれらの疾患群で大きく変わりません。このことは、変形性膝関節症患者の多くに対して保存療法が効果的であるということを示しているともいえます。

1 生活指導
 
変形性膝関節症による膝関節痛が強い場合は、関節に負担がかかるような姿勢、活動を制限します。正座やしゃがみ込み、階段昇降などは膝関節に強い負荷がかかるため、避けるようにします。安静にした方が症状は取れやすいのですが、安静にしすぎると筋力低下により日常生活の活動性のレベルが落ちてしまう危険性もあります。日常生活に必要な家事、買い物、通勤などは継続して下さい。肥満がある場合の減量は症状緩和に極めて有効です。

2 運動療法
 
膝関節を支える最も重要な筋組織は大腿前面にある大腿四頭筋で、この大腿四頭筋を強化することで膝関節が安定することは理論的にも示されていましたが、日本整形外科学会などが中心になって行った大腿四頭筋強化訓練の効果を無作為比較試験で検討した結果、消炎鎮痛薬投与群よりも効果があることが明らかにされました。日本整形外科学会のガイドラインでは、定期的な有酸素運動と在宅での大腿四頭筋の筋力強化訓練を推奨しています。

3 装具療法
 内側型の変形性膝関節症に対してもっとも良く用いられている装具は、外側楔状型の測定板で靴の中敷きとして使用します。足部の外側を8~12mm程度高くして膝関節の内側にかかる力を減少させることが目的で、膝関節の外側への偏位(lateral thrust)を減少させることが可能となります。
 膝関節装具はよく使用されていますが、通常の柔らかいサポーターは、理論的には関節の安定性を向上させるものではありません。支柱などが付いているものは安定性は増しますが、長期の使用により筋力低下をきたす恐れもあります。

4 薬物療法
 
非ステロイド性抗炎症薬の内服は症状軽減のために有用ですが、消化管潰瘍などの副作用があるため、長期間の使用には注意が必要です。
 グルコサミンやコンドロイチン硫酸内服の効果については、日本整形外科学会は症状緩和についてはエビデンス不足、軟骨保護作用については推奨しないとしています。
 ヒアルロン酸の関節内注射は、作用は緩徐ですが症状緩和作用が長期間得られることが多くあります。しかし、ヒアルロン酸の内服は全く効果がありませんので注意して下さい。
 ステロイドの関節内注射は作用は単時間ですが除痛性に優れているため、古くから治療法として用いられてきましたが、頻繁には使用しない方が安全です。

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