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2021年8月30日

大気中微小粒子状物質(PM2.5)(その4) 

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Ⅳ 日本におけるPM2.5の健康影響に関する疫学研究

1)環境省によるPM2.5の健康影響調査
 環境庁(当時)が1999年から8年間にわたって、大気中のPM2.5の健康影響について、暴露評価、疫学、毒性の3分野での調査研究を行いました。この調査では、諸外国における先行研究を参考に計画が立案され、わが国におけるPM2.5への暴露による健康影響が総合的に評価されました。一部の調査ではPM2.5濃度が得られなかったため、大気中の浮遊両城物質(SPM)濃度との関連が評価されています。

①短期暴露による影響
 全国20地域における65歳以上の日別の死亡では、PM2.5日平均濃度の増加により外因死を除く全死亡リスクが僅かに増加し、呼吸器疾患による死亡については有意な増加が観察されました。しかし、諸外国での成績と比べると死亡リスクは小さく、循環器系疾患による死亡はPM2.5濃度との関連がみられませんでした。
 呼吸器系への短期的影響として、入院中の喘息児、水泳教室に通う喘息児、謙譲な小学生という3つの異なる集団を対象にした調査では、喘息児ではPM2.5濃度の上昇に伴う呼吸機能の低下が認められましたが、健常児では僅かな低下がみられただけでした。
 喘息による夜間の急病診療所受診とPM2.5濃度との関連は認められませんでした。また、循環器系疾患への影響も認められませんでした。

②長期暴露による影響
 全国7地域での小児とその保護者の呼吸器症状を5年間継続して調査したところ、PM2.5濃度が高い地域ほど、保護者では持続性の咳や痰の有症率が高かったが、小児ではこの傾向は認められませんでした。

③粒子状物質(SPM)への長期暴露と死亡との関連
 3府県6地域で40歳以上の住民約10万人を15年間追跡した研究では、肺癌による死亡は、喫煙などのリスク因子を調整した後で居住地域のSPM濃度と相関することが明らかになりました。一方、全死亡は大気汚染と関連はなく、循環器疾患は逆相関があるとの結果がでましたが、これは血圧などのリスク因子が調整されていないためとも考えられた。呼吸器疾患による死亡は、女性では大気中二酸化硫黄、二酸化窒素濃度との関連が示されましたが、SPMのうどとの関連は認められませんでした。

④環境省による調査結果の総括
 PM2.5の呼吸器系への影響は、わが国でも喘息による受診を除いて諸外国とほぼ同様の結果でしたが、循環器疾患については短期暴露、長期暴露共に影響がみられませんでした。喘息による受診への影響が諸外国と異なるのは、医療制度の違いのほか、吸入ステロイド薬の普及により喘息発作が少なくなったことも一因として考えられます。一方、循環器疾患への影響については、もともと日本は欧米諸国に比べて循環器系疾患の有病率が低いという疾患構造の違いが関係している可能性があります。

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