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2022年8月22日

年代別骨粗鬆症予防法(その1)

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Ⅰ 若年者における予防

1)若年者における予防の意義 
 若年期における生活習慣、特に食習慣と運動習慣は成人後の生活習慣に多大な影響を及ほすことが推測され、予防医学の観点からも若年期によりよい生活習慣をつけることは、骨粗鬆症に限らず多くの生活習慣病予防にとって重要で、意義があります。
  骨粗鬆症では、若年期に高い骨密度を獲得しておくと、後年になって骨密度の低下があっても、骨粗鬆症の発症や骨折しにくくなるようにすることが可能です。 

2)高い骨密度獲得のための家族要因 
 骨密度の遺伝率は40~80%といわれ、一定していませんが、家族間の相関性は高いとされていて、遺伝の影響度は高いとされています。しかし、その一方、栄養や身体活動および紫外線照射などのライフスタイルに起因する後天的因子もあります。そのため、遺伝と環境の両者を併せた骨密度管理が必要となります。
  母子を対象としたわが国の二世代研究によると、初経前後とも娘の骨密度は母親の骨密度に相関しました。しかし、母子に加えて、血縁・同族関係にある祖母の骨密度との相関を調べたところ、祖母と娘の間に相関は認められませんでした。このことは、骨密度は遺伝因子ばかりでなく、環境因子も重要な役割を果たしていることを示すものといえます。 

3)介入のための適切な時期は 
 骨粗鬆症の発症予防のためには若年期に可能な限り高い最大骨量を獲得することと、閉経後に必発する骨密度低下を可能な限り抑制することが重要です。骨密度は1~4才と、12~17才の二つの時期に上昇し、思春期に骨密度は最大に形成されます。最近の日本人女性の骨密度の年齢別平均値に関する調査から、最大骨量獲得時期が明らかにされました。その結果によると、思春期に骨密度は高まり、およそ20才で最大値に達し、40歳代前半までそれが持続し、閉経の前より低下することが判明しました。大腿骨近位部骨密度は18歳の時が最大となることが分かり、20才以降の骨密度低下率が大きいことも明らかになりました。これらの結果から、最大骨密度を獲得するための効果的な介入時期は少なくとも18才以前にあることが判 明しました。 

4)効率のよい介入方法とは
 若年期の骨密度に対する栄養素の摂取量や、身体活動の介入効果に関する研究によると、栄養素ではカルシウム摂取が、身体活動では荷重的な運動の励行が高い骨密度獲得に重要であるとされています。最近、世界的に中高年のビタミンD不足が低骨密度のみならず骨軟化の原因となると同時に転倒リスクも上昇させることが判明しています。

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