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2022年8月29日

年代別骨粗鬆症予防法(その2)

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Ⅱ 中高年者における予防 

1)体重管理は骨折リスクを低減させるか 
  
体重と骨折リスクに関する12の調査研究の解析によると、ベースラインのBMIが1増加するごとに骨粗鬆症骨折の相対リスクは0.97、大腿骨近位部骨折では0.93となりました。BMI 25を基準にすると、大腿骨近位部骨折のリスクはBM130で17%低下、BM120では95 %上昇しました。米国の国民健康栄養調査に参加した白人女性の追跡調査では、自身の最大体重から10%以上減少した場合、大腿骨近位部骨折の相対リスクは2以上で、この傾向はBMIが低い群(<26.2)でより明らかでした。ノルウェーの閉経後女性を追跡した研究では、11年間に体重が5%以上減った群ではその後5.8年間の前腕骨遠位部骨折のリスクが33%上昇しました。これらの研究から、やせは大腿骨近位部骨折と骨粗鬆症性骨折のリスクを上昇させ、肥満はリスクを低下させることが明らかとなりました。しかし、閉経後日本人女性の椎体骨折はBMI≧25群で、18.5≦BMI<25群より64%増加していたので、過体重も推奨できません。 

2)栄養指導は骨粗霜症予防に有効か 
  
栄養学的にカルシウムとビタミンDの十分な摂取が重要なことは明らかだが、栄養指導の有効性はどうなのでしょう。カルシウム摂取が400mg未満の閉経後女性に800mg摂取を目指し、地域にあった実行可能な内容で、実習を含む教育を18ケ月間継続した介入研究によると、介入群で骨密度の上昇が確認されました。このことから、対象者の実情に合うよう綿密にデザインされた栄養指導を継続的に行えば、骨密度の改善に結びつくと考えられています。 

3)運動指導は骨粗癒症予防に有効か 
  
身体活動の活発なものでは骨粗穎症性骨折が少ないとする調査研究は多数あります。閉経者での歩行や太極拳などの軽い動的荷重運動は腰椎骨密度を上昇させ、ジョギング、ダンス、ジャンプなどの強い動的荷重運動は大腿骨近位部骨密度を上昇させ、両者の組み合わせでは両部位の骨密度が上昇しました、一般中高年に自己管理して貰うには歩行運動がリスクが低く、大腿骨頸部の骨密度上昇も期待できるため適切な運動と考えられています。 

4)喫煙と過度の飲酒は骨折リスクを上昇させるか 

喫煙と骨折に関する研究によると、喫煙女性の大腿骨近位部骨折リスクは非喫煙者より、60才で17%、70才で41%、80才で71%、90才で108%高く、男性でも同様の傾向でした。1日のエタノール24g(日本酒1合強)以上の摂取で、男女ともに骨粗髮症性骨折リスクが38%上昇、大腿骨近位部骨折が68%上昇しました。飲酒量は不明ですが、広島の被爆生存者の調査によると、習慣的飲酒者の大腿骨近位部骨折リスクはそうでない者の1.91倍でした。なお、日本酒1日半合未満の飲酒では骨折リスクが低下したという報告もあります。

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