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2021年3月1日

急性冠症候群の慢性期薬物治療(その2)

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Ⅳ 脂質代謝異常改善薬
 
1992年にFusterらは、薄い繊維性被膜に囲まれた脂質に富む病変(不安定プラーク)が破裂して、血液と内皮下組織の接触によって血栓が形成され、血栓量が多ければ血流障害を引き起こして急性冠症候群が起こることを明らかにしました。このプラークの安定化が急性冠症候群の予防につながると考えられています。このためには脂質代謝の管理が重要です。
 欧米では急性冠症候群患者のLDL-Cの目標値は100mg/dL以下をクラスⅠ、70mg/dL以下をクラスⅡとして、高リスク患者では70mg/dL以下を達成目標値としています。わが国でもこれまでは100mg/dL以下を管理目標値としていましたが、2012年改訂のガイドラインでは高リスクと考えられる場合には、欧米並みの70mg/dL以下を目標としてきます。
 スタチン(リバロ錠2mg、クレストール2.5mg)を使用してLDL-Cが管理目標値に達していているにもかかわらず、高中性脂肪血症や低HDL-C血症が改善しない症例もしばしば見受けられます。高中性脂肪血症をフィブラート系薬剤(トライコア錠80mg、リピディル錠80mg)単独使用で改善すると、冠動脈疾患の2次予防に効果があることが示されています。スタチンとの併用でもその有効性は示されています。
 また、スタチン内服中の日本人高中性脂肪血症患者に対して高純度EPA(エパデール、ロトリガ)製剤を投与したところ冠動脈疾患発症が減少したとの報告もあります。

Ⅴ β遮断薬
 
β遮断薬(メインテート錠2.5mg、アーチスト錠20mg)は抗狭心症作用と予後改善作用の両者で優れています。心筋酸素消費を軽減し、拡張期時間延長による冠血流増加をもたらすことによって、抗虚血作用を発揮して狭心症の症状を軽減します。
 また心筋梗塞後慢性期には、瘢痕化した心筋を基質として心室性不整脈が起こる場合があります。この様なときに、β遮断薬の心室性不整脈に対する重要性が強調されています。突然死予防の意味でもβ遮断薬は重要といえます。

Ⅵ Ca拮抗薬(アテレック錠10mg、カルスロット錠20mg)
 
欧米では虚血性心疾患でのβ遮断薬やACE阻害薬の有用性が確立されていて、第1選択薬とされていて、Ca拮抗薬は降圧効果が不十分な場合の第2選択となっています。しかし、Ca拮抗薬は冠血管拡張作用を持ち降圧効果も期待でき、冠攣縮性狭心症の発症率が高いわが国では、Ca拮抗薬の意義は高いと考えられます。

Ⅶ 硝酸薬
 
硝酸薬は狭心症治療薬として100年以上の使用経験がありますが、心筋梗塞慢性期の2次予防としての硝酸塩長期投与の有効性に関しては、明確な成績がありません。むしろ硝酸塩の長期投与では耐性が生じて薬効が消失するとの報告も数多くあります。

Ⅷ インスリン抵抗性改善薬(アクトス錠30mg)
 
これまで血糖降下薬には心血管イベント予防効果が明らかにされている薬はなかったのですが、ピオグリタゾン(アクトス錠)が初めて心血管イベントを有意に抑制することが明らかにされています。

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