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2022年9月26日

成人病と生活習慣病(その1)

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Ⅰ 成人病から生活習慣病へ 
  
成人病という「病名」は1955年頃から厚生省が使い始めました。40歳前後から60歳代の働き盛りの人々に発生率の高い疾患である脳血管障害、悪性腫傷、心疾患、糖尿病、痛風など、主として非感染性の慢性疾患がその代表的な疾患として定義されました。その後、これらの疾患群の原因は成人になってからの問題ではなく、小児期からの”生活習慣”のなせる業であることから、1996年から生活習慣病という用語を使うようになりました。生活習慣に強く関与する肥満の蔓延は、国際的にみても大流行しています。また、小児の肥満、それに関連する2型糖尿病の問題、さらにメタボリックシンドロームは、欧米はもとより、わが国でも問題になっているところです。これが、成人病から生活習慣病に移行した大きな理由と思われます。さらに、生活習慣病は生活習慣の改善により、先に触れた多くの疾病予防が可能で、国民にその理解を求めたことも大きな理由のーつです。2002年に公布された健康増進法の目的は、国民の健康寿命を延伸し、生活の質の向上を図ることにあります。すなわち、国民自らの努力で、生活習慣病を防御できるものであり、結果として起こってくる脳・心血管病や悪性腫傷などの予防が可能になるという視点から医療経済的にも重要な健康政策といえます。
 わが国は、世界の最長寿国です。しかし、同時に世界保健機構(WHO)が定義する「不健康な期間」も決して短くはありません。平成25年の調査ではわが国の男性の平均寿命は80.21才ですが、健康寿命71.19 才で、不健康な期間が9.02年となり、女性では平均寿命か86.61才、健康寿命が74.21才で不健康な期間が12.4年もあります。この不健康な期間には、人的、経済的負担がかかるので、医療費増大の最大要因となります。したがって、介護が必要となった主な原因(要介護疾病)の予防は医療経済を考える上でも喫緊の課題といえます。この要介護疾患として最も割合が多いのは、心血管疾患25,1%(脳血管疾患21.7%、心疾患3.4%)で、第2位が認知症21.4%です。高齢者になるに従い増加するのが脳血管性認知症であることを考えると、血管に対する対策は極めて重要といえます。第3位は高齢による衰弱(フレイル)12.6%です。そして、転倒・骨折10.9%、関節疾患6.8%とロコモティブシンドロームが続きます。このことは、メタボリックシンドロームを基盤とする血管病と、ロコモティブシンドロームを予防することこそが、わが国の健康寿命を延ばすうえで重要な対策となることを示しています。

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