敵を知り己を知ることが治療の基本
糖尿病をきちんと治療せずに放置しておいた場合に、糖尿病の人が糖尿病でない人に比べて被るデメリットには、次のようなものが知られています。
①糖尿病の人は、糖尿病でない人に比べて、死亡率が 2〜3倍も高い。(特に若年者では重大の問題です)
②心疾患、脳卒中が 2〜3 倍多い。(糖尿病は動脈硬化を早め、老化を早める病気だともいわれています)
③失明は10 倍多い。(成人の後天的な失明原因の第 2位を占めています)
④壊疽(組織が腐ること)や四肢の切断は 20 倍多い。
⑤糖尿病性腎症は腎疾患を原因とする死亡の第 2 位を占めている。(人工透析の原因は、糖尿病性腎症が第1位となりました)
⑥他の慢性合併症(神経障害、感染症、性機能障害等)が生じやすい。
⑦入院が 2 倍多い。
⑧経済的な負担が大きい。(高額な医療費や生命保険に加入できない、など)
⑨その他(仕事への制約、早く年をとる、白内障、など)。
糖尿病の治療をきちんと行ない、良好な血糖コントロールが維持されていれば、このようなデメリットは未然に防ぐことができます。そのためには、私たち医師、看護士、検査技師や栄養士などの医療従事者の一層の努力が必要なことはいうまでもありませんが、それにもまして、患者さん自身が糖尿病に関して正しい知識を身につけて、糖尿病を徒に恐れることなく、糖尿病と上手につきあう方法を学ぶことが重要です。そうすれば、例え糖尿病があっても、糖尿病のない人となんら変わりのない実り豊かな人生を送ることが可能となるのです。
孫子の兵法で説かれている、「敵を知り、己を知れば、この一戦危うからず」の精神です。
この「洪内科クリニック糖尿病通信」が、みなさんが糖尿病を正しく理解するお役に立てることを願っています。
将来、「無知の涙」で泣くことだけはないようにしたいものです。
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