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2020年8月24日

日本人の脂質異常症の動向(その1)

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Ⅰ はじめに
 
血清低比重リポ蛋白コレステロール(LDL)は虚血性心疾患の重要な危険因子です。フィンランド、米国、ギリシャ、イタリア、旧ユーゴスラビア、オランダ、日本の7カ国のおける疫学調査が行われた1950年代では、日本人は飽和脂肪酸をはじめとする脂肪摂取量が少なく、血清総コレステロール(TC)は7カ国中最も低値で、虚血性心疾患の罹患率も最も低かったのでした。その後、食事中の脂質と血清コレステロール、虚血性心疾患の関係を知った欧米先進国で血清コレステロール値を低下させる試みがなされた結果、たとえば米国人男性の冠動脈疾患発症率は50年前に比べて約半分になりました。
 一方、日本人での冠動脈疾患の発症率は欧米に比べて低いものの、TC、LDL値が高くなればなるほど、HDL値が低くなればなるほど、虚血性心疾患が増加するということは確立された事実となりました。これまで日本人の虚血性心疾患発症率が欧米に比べて低かったのは、日本人のTC値の低さ、HDL値の高さ、魚の摂取量の多さなどによるものと考えられました。また、欧米に比べて発症率が高かった脳出血は反対に、塩分摂取量の減少、高血圧治療の発達、飽和脂肪酸摂取量の増加に伴って著明に減少しています。
 1960年から10年毎に日本人の血清TC値に関する調査が行われてきました。調査が開始された1960年頃の日本人の平均血清TC値は約180mg/dlで、ほぼ同時期に行われた米国での値と比べると約40mg/dl低値でしたが、米国でTC値が年々減少しているのとは対照的に、日本人のTC値は過去40年間上昇傾向を示し、2000年の調査では、日本人のTC値の平均は200mg/dlを越え、ほぼ米国と肩を並べるまでに達しています。
 今後、日本人の血清コレステロール値が欧米並みになり、肥満、2型糖尿病がさらに増加することにより、人口の高齢化も手伝って日本人でも狭心症、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の発症率がますます高くなることが危惧されています。したがって、肥満、2型糖尿病を減少させると共にTC値を下げることにより、虚血性心疾患の発症率を下げる努力が必要です。

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