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2016年8月8日

歩行の科学(その1)

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Ⅰ 歩行とウォーキング
 
 運動療法の一つとして、歩くことが広く行われています。しかし、日常生活に中での歩行と運動療法として歩行(ウォーキング)とは、厳密にいえば区別されなければなりません。
 歩行とは、私たちの毎日の生活の中での身体活動の基本的な動作の一つです。もし歩行に障害が起こると、その障害は日常生活に影響を与えるばかりでなく、身体活動量の減少による全身機能低下をもたらすなど様々な影響を私たちの体に及ぼします。
 一方、ウォーキングとは、運動療法や健康づくりのために、運動強度・時間・頻度が設定され、そのトレーニング効果を期待して行われる運動のことです。ウォーキングは、安全かつ効果的な運動とされていますが、中には下肢関節などの傷害が発生しているケースも見受けられます。運動療法としてのウォーキングをより安全で、効果的なものにするためには、傷害予防への配慮も必要となります。そのためには、歩行の運動特性を科学的に理解することが大切になります。

Ⅱ 歩行のメカニズム
 
 私たちは毎日何気なく歩いていますが、歩行のメカニズムについて考えてみましょう。
 歩行は一足で体重を支持する立脚相、足が地面を離れて降り出されている遊脚相からなり、この一連の動き全体を通して、歩行周期といいます。
 立脚相は一歩行周期の60%を占めていて、踵が地面に接する踵接地、足底全体が地面に接する足底接地、足部に全体中が荷重される立脚中期、踵が離れる踵離地、つま先が離れる足尖離地の各期からなります。
 遊脚相は一歩行周期の40%を占めていて、足尖離地から下肢が体幹後方に位置する加速期、下肢が体幹直下にある遊脚中期、その後踵接地までの減速期と分類されます。
 一足の踵接地と反対側の踵離地は同時に起こりますが、両足共に接地している時期を二重支持期といいます。この二重支持期は一歩行周期中に二回起こり、一回の歩行周期の約10%を占めます。二重支持期の割合は、歩行速度で変化し、速度が速くなると減少しますが、歩行中に完全になくらることはありません。二重支持期がない状態、すなわち両足が完全に地面から離れている状態は走行とされ、歩行と区別されています。陸上競技の競歩で、両足が地面から一回でも離れると、走行したとみなされ失格となるのはこの定義によるのです。

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