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2016年3月14日

油脂のとり方(その2)

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2 油脂の「質」と「取り方」

1)動物性脂肪
 動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸は、インスリンの作用を弱め、血糖値を上昇させ、動脈硬化を促進させるLDLコレステロールを上昇させることが判ってきました。糖尿病ではできるだけ控えるべきです。飽和脂肪酸は総摂取エネルギーの10%以下にすべきでしょう。                                          
 肉は脂の少ないものを選び、食べるときには焼いて脂を落とす網焼きなどの調理法がお勧めです。カツのように衣を付けたり、すき焼きのように脂を逃がさないような調理法は避けるべきです。
 どの動物の肉にも飽和脂肪酸が多いのですが、牛肉は特に多く、豚肉は牛肉に比べて少ないのです。霜降り牛肉ですき焼きが、最も好ましくないことになります

2)魚の脂肪 
 魚は脂ののった旬に時期のものがお勧めです。特に、イワシ、サバ、サンマなど背の青い魚には多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)が多く含まれています。EPAには血液中のLDLコレステロール、中性脂肪を減らす効果と、血栓をできにくくする作用があります。このようなEPAの作用は、動脈硬化を進ませて血栓性疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)を引き起こしやすい糖尿病には、好都合です。
 魚を食べるときには、焼き魚のようにせっかくの脂を失ってしまう調理法にしないで、魚のムニエル、鍋料理などを選ぶべきでしょう。

3)油脂
 油脂は調理でよく使われますが、その際には植物油を使い、ラードやバターは使うべきではありません。
 植物油にはオリーブ油、ナタネ油、大豆油、ゴマ油、紅花油、等があります。調合サラダ油は、ゴマ油と大豆油を調合したものです。これらの植物油は、多価不飽和脂肪酸であるリノール酸と1価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が約80%を占めています。似たように思われるこれらの脂肪酸の体内での生理作用には大きな違いがあります。
 リノール酸、オレイン酸にはLDLコレステロールを下げる作用がありますが、リノール酸は動脈硬化に抑止的に働くHDLコレステロールも減らしてしまいます。オレイン酸にはこのHDLを減らす作用はありません。
 また、リノール酸は、摂り過ぎると血栓形成傾向を助長させ、加熱に弱く酸化されやすいのに対して、オレイン酸は酸化されにくい特徴があります。コーン油、大豆油、紅花油などはリノール酸を多く含みます。オリーブ油はオレイン酸を75%近く含み、熱で酸化されにくいため、炒め油など熱を加えて調理する油としても有用性が高いのです。ほうれん草のオリーブ油炒め等、緑黄色野菜をオリーブ油で炒める料理は緑黄色野菜をおいしく食べられるという面でも、またビタミンAやDという脂溶性ビタミンの吸収の面でも勧められます。オレイン酸の積極的な摂取が勧められます。

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