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2019年1月21日

減量のための外科手術について(その1)

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Ⅰ はじめに
 
 米国では成人全体の約30%、6000万人が肥満していて、医学上大きな問題となっています。加えて、6から19才の未成年の16%が既に体重オーバーなため、近い将来、肥満者はさらに増加します。このような人々は糖尿病をはじめとした様々な疾患に罹患しやすいことが知られており、28万人が肥満に直接関連した病気で死亡しています。
 糖尿病の罹病率は肥満率の上昇に比例して増加します。反対に、肥満の解消は糖尿病、心臓病、高血圧症のリスクを大きく減少させることが広く知られています。では、なぜ減量できないのでしょうか。
 生活習慣改善による減量は容易ではありません。食事のカロリー制限により体重を8%程度減量させることを6から12ヶ月間維持することは可能ですが、かなりの症例でリバウンドがみられ4%位しか体重減少がみられません。食事療法に加えて運動療法を併用した場合には、10から12Kgの減量を72ヶ月間維持できたという報告や、一日1200kcal程度の栄養バランスのとれた食事を続けると、十分な減量効果が維持できたという報告もありますが、いずれにせよ、超肥満症例での肥満解消にはほど遠いレベルといえます。
 薬物療法は副作用が多く、また休薬後のリバウンドの頻度が高いという問題もあります。最近は新しい作用機序を持った内服薬も開発されていますが、長期間での有効性は現在のところ明らかではありません。
 このような状況下のために、米国では超肥満症例での減量のための手術療法が次第に認知されつつあります。その大まかな原理は、消化管での通過障害を惹起させるか、吸収を抑制させるか、あるいはその両者を組み合わせるかです。

Ⅱ 手術適応
 
 どのような患者さんに減量手術をするべきかという基準を明確に規定することは難しい問題があります。一般的にBody Mass Index(BMI)で肥満を規定しますが、BMI30.0~34.9を肥満度I、BMI35.0~39.9を肥満度II、BMI40以上を超肥満と規定しています。
 定められた食事療法と運動療法を行っても減量できなかった場合に手術を考慮します。米国厚生省の勧告では、このような患者のうち、BMI40以上、またはBMI35以上で糖尿病などの肥満関連疾患が存在していて、6~12ヶ月以内に10%以上の体重減少が達成できなかった場合に、手術適応有りとしています。 

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