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2018年12月2日

温泉と健康について(その1)

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Ⅰ はじめに
 
 環境省統計集の温泉利用状況によると、平成18年3月末現在、我が国には3162カ所の温泉地(宿泊施設のある場所)があります。源泉の数は27866カ所で、その約半数の13294カ所は42℃以上の高温泉源です。また、1年間の宿泊客は延べ1億3661万3954人になっています。
 日本の他、温泉を医療に利用している国は、ヨーロッパ諸国、ロシアなどで、中でもドイツで詳細に研究されています。日本は火山国であるため高温泉源が多く、温泉は主に浴用に用いられることが多いのですが、ヨーロッパ諸国では一般に低温でミネラル成分が豊富なものが多いため、飲泉療法が盛んです。
 日本で温泉が湯治として広く利用されるようになったのは江戸時代からです。農作業の合間に「正月の湯」、「田植えの前の湯」、「取り入れ前の湯」、「刈り入れ後の湯」、「秋湯治」などと呼ばれる温泉入浴の習慣がありました。農作業による心身の疲労を癒すばかりでなく、次の仕事への体力作りも兼ねた、現在では「温泉(保養地)療法」と呼ばれているものを実践していました。
 温泉療法は自然環境を最大限に利用する自然指向型の治療法です。その科学的側面や温泉療法に関する正しい知識について学んでみましょう。

Ⅱ 温泉とは何か
 
 日本では昭和23年に制定された温泉法の第二条で温泉とは次のように定義されています。「この法律で温泉とは地中から湧出する温水、香水および水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、別表に掲げる温度または物質を有するものをいう」。この別表には温度や物質名が事細かく記されていますが、ここの定義によると、温泉は、「温度または物質」のいずれかの条件を満たしていればいいことになり、1)水温が25℃以上あれば規定量の含有物質を含まなくても温泉(単純泉)といえます。反対に、2)水温が25度未満でも規定量の物質を一種類でも含有していれば温泉といえます。実際、九州大分県には「寒の地獄」温泉と呼ばれる冷鉱泉(単純硫黄泉)があり、その温度は約13℃です。さらにもう一つの基準として、3)温泉水1Kg中のガス状成分を除いた物質の総量が1g以上ある場合を温泉とする、との記載もあります。これらの温泉のうちに特に治療の目的に供し得るものを「療養泉」(泉質名がついている温泉)として別に定義しています。
 温泉には火山性の温泉と非火山性の温泉があります。火山性の温泉は、熱対流によるもので、地中に浸透してくる雨水などがマグマの熱で暖められ、マグマ成分を含んで地表に湧出したものです。そのため硫黄を含む硫酸塩に代表される刺激性の酸性泉が多いのが特徴となっています。マグマから発生する蒸気が直接噴出することもあり、この蒸気が雨水に溶け込んで地表近くに貯留し、温泉として利用されることもあります。
一方、非火山性の温泉は、地球内部からの熱伝導によって生じるものです。ヨーロッパでは非火山性温泉が多く、二酸化炭素泉が多数存在しています。

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