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2018年12月10日

温泉と健康について(その2)

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Ⅲ 適応症の決定について
 
 現在、温泉の適応症は湧出時の成分分析に基づいて、過去の適応症を踏襲して自動的に決定されています。元々温泉療法の適応症は経験則に基づいて決められてきました。温泉地に長期間滞在して、温泉入浴以外にも、その土地の気候要素、高山地帯か海岸地帯かなどの地形要素など、自然環境から受ける刺激によって身体が受ける影響が異なってくるので、温泉の適応症はおのおのの温泉地毎に決定されるべきだからです。
 例えば、「脳卒中の湯」として有名な長野県鹿教湯(かけゆ)温泉では、温泉源が川原の低いところにあるため、以前は共同浴場にはいるためにはそこまで降りていく必要があり、また、毎日階段を上って文殊堂までお参りする習慣がありました。つまり無意識のうちにリハビリテーションを行っていたのであり、決して温泉入浴のみが功を奏したわけではありません。泉質も大事ですが、どのような環境下でどのようなことを行っているかによって、効能が異なり、その結果として適応症が言い伝えられてきたものと考えられます。
 適応症は、あたかも1回入浴すれば効果があると誤解されがちですが、そうではありません。あくまでも数週間の滞在が必要です。日帰り、1~2拍程度の温泉旅行では適応症にこだわらずに、毎回泉質を替えるなどして楽しむのが現実的です。

Ⅳ 温泉入浴の体に与える作用について

1)温熱
 42℃以上の高温浴は交感神経を緊張させ、精神的にも肉体的にも活動的な状態を作り出します。42℃の湯に10分間浸かると、血圧は20mmHg、脈拍は40/分程度、体温は約2℃上昇します。従って、高血圧症・動脈硬化症の患者や高齢者は高温浴を避けるべきでしょう。一方、37~39℃のぬるめの微温浴は、副交感神経を刺激し、軽度の血圧・脈拍・体温の上昇は認められるものの、リラックスした状態になります。
 さらに、高温浴で問題になのは、42℃、10分間の入浴で、血液粘度が上昇し、その状態が出浴後も約1時間持続することです。しかし、半身浴の場合は、血液粘度の上昇はごく軽度であり、38度ではむしろ血液粘度は低下の傾向を示しています。
 冬期間は熱いお湯に入った方が暖まるような感じを受けますが、実際はぬるめのお湯にゆっくりと浸かっていた方が身体が芯から温まり、湯冷めしづらくなります。高温の湯に入ると交感神経の影響で血管が収縮し、血液が流れにくい状態になるので、身体の表面は熱くなっても血液が温められにくいので、体の芯が暖まってこないからです。そのため、湯から出た後に湯冷めしやすくなるのです。

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