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2018年12月25日

温泉と健康について(その4)

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Ⅳ 温泉入浴の体に与える作用について

3)含有成分
 
(3)硫酸塩泉
 ナトリウム硫酸塩泉(芒硝泉、カルシウム硫酸塩泉(石膏泉)、マグネシウム硫酸塩泉(正苦味泉)などがあります。いずれも保温効果が高く、降圧作用があるので高血圧症がよい適応です。マグネシウム硫酸塩泉を飲むと便秘に効果があります。カルシウム硫酸塩泉に入ると、「ベビーパウダーを付けたような」という表現がよくなされ、肌がつやつや、すべすべしてきます。

(4)炭酸水素塩泉
 ナトリウム炭酸水素塩泉の旧泉名は重曹泉で、アルカリ性のため皮膚表面の脂肪分や分泌物が洗い流されて、表面からの水分の蒸散が盛んになるため、体温が発散され、清涼感、冷感を覚えるので「冷の湯」とも呼ばれています。

(5)二酸化炭素泉(炭酸泉)
 日本の温泉は、水温が高くガス成分が容易に揮発してしまうため炭酸泉の数は少ないが、ヨーロッパでは多く、濃度が2000mg/Kg(温泉水)にもなるものが存在します。入ると細かな気泡が皮膚表面に付着し、入浴では末梢血管拡張作用が強く血圧低下作用があり、高血圧症、心臓病などに適応があります。ヨーロッパでは「心臓の湯」と呼ばれています。

(6)硫黄泉
 硫化水素を含む硫黄泉は末梢血管の拡張作用が炭酸泉よりも強力であり、高血圧症、心臓病に適します。また、硫黄の解毒作用により金属中毒、薬物中毒の治療にも用いられてきました。慢性の湿疹にも適応がありますが、硫化水素ガスは去痰作用があり、慢性気管支炎、気管支拡張症などに有効で、{痰の湯」とも呼ばれています。但し、一定濃度以上の硫化水素ガスは致死的であり、換気を適切に行う必要があります。

(7)酸性泉
 日本のような火山国では酸性泉がヨーロッパ諸国に比べて多くあります。刺激性が非常に強く、湯ただれを起こしやすいので、浴後に真水で洗い流す必要があります。そのため病弱な人、高齢者、皮膚の弱い人には適しません。一方、殺菌作用があるので、水虫、慢性湿疹などの皮膚病に効果があります。草津温泉に入浴すると皮膚の黄色ブドウ球菌が殺菌され、アトピー性皮膚炎が改善することが有名です。

(8)放射能泉
 俗にラジウム温泉と呼ばれているもので、皮膚、肺から吸収されます。尿酸排泄作用があるため、「痛風の湯」と呼ばれている。

(9)鉄泉
 湧出直後は透明ですが酸素に触れて酸化され、錆び色に変化します。以前は鉄欠乏性貧血で飲泉が行われましたが、含有量が少ないので予防的な効果しかありません。
 

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