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2019年7月29日

災害時の備えー自分の薬がいえますか(2)

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Ⅲ 記憶
 
糖尿病患者のみなさんは、ご自分が飲んでいる薬や使っているインスリンの名前を正確にいえるのでしょうか。「難しいので覚えられない」とか、「薬の名前を書いた手帳があるから覚えなくても大丈夫」とか言い訳する人が少なくありません。もし大災害が発生して、「薬の名前を書いてある手帳」がなくなったらどうなるのでしょうか。頼りになるのは、自分の記憶です。

1)内服薬
A「白い錠剤」とか「丸い薬」、「白い粉薬」では、全く分かりません。

B「オイなんとか」「グルなんとか」などという、不正確な名前では不十分です。
例えば、「オイグルコン」は糖尿病の薬ですが、「オイテンシン」は高血圧の薬です。「グルファスト」はインスリン分泌促進作用をもつ糖尿病薬ですが、「グルコバイ」は炭水化物の吸収を遅らせる作用をもった糖尿病薬です。「アマリール」は糖尿病薬ですが、「アルマール」は高血圧の薬です。「グリミクロン」は糖尿病薬ですが、「グリチロン」は肝臓の薬です。間違えて内服しても余り問題にならない場合と、致命的な事態を引き起こす場合があります。

C「ピンク色した錠剤の糖尿病薬」では判別が不能です。
 例えば、「アマリール錠1mg」 はピンク色した錠剤の糖尿病薬ですが、「ベイスン0.2mg」はピンク色のPTPに包まれている白色錠剤の糖尿病薬です。アマリールはインスリン分泌刺激作用を持った劇薬ですが、ベイスンは炭水化物の吸収遅延作用を持った糖尿病薬です。ベイスン0.2mgで良好な血糖コントロールが維持できている患者さんが、間違ってアマリール錠1mgを内服した場合は、致命的な低血糖昏睡に陥る危険性があります。

D「アマリール錠」だけでは不十分です。
 アマリール錠には「1mg錠」と「3mg錠」の2規格の錠剤があります。この他の薬剤にも複数の規格を持つものが少なくありません。特に、糖尿病薬や高血圧薬には複数の規格があるものが多い傾向があります。しかし、診療所や病院の多くは、ひとつの薬剤に関してはひとつの規格しか持たない傾向があります。例えば、ある診療所では、アマリール錠は1mg錠しか置いていないため、いつもの診療では錠剤の規格を問題にすることがほとんどなかったのですが、大災害の時に、患者さんが特設の医療機関を受診したときには、アマリール錠3mgしか用意していないということもあり得ます。

2)インスリン注射

A「ノボなんとか」「ヒューマなんとか」という覚え方では不十分です。

B「三度の食事の前には透明なインスリン」で「寝る前は白く濁ったインスリン」という覚え方はご自分の日常の使い分けには有効ですが、相手にインスリンの種類まで理解して貰えません。

C「朝昼夕の食前がオレンジ色で、寝る前が緑色」という表現はかなり有効です。但し、黄色は「R」と「ヒューマログミックス25」、緑色は「N」と「レベミル」とを間違える可能性があります。

Ⅳ 代用

1)経口糖尿病薬はその作用機序により、aインスリン抵抗性改善作用薬、b炭水化物吸収遅延作用薬、cインスリン分泌促進薬、dビグアナイド薬、eDPP4阻害薬、fSGLT2阻害薬の6種類があります。インスリン分泌促進薬以外は、同じ仲間の薬を代用しても大きな危険性はありませんが、インスリン分泌促進薬だけは作用の強さにさがありますから、注意が必要です。

2)インスリンはその作用効果の持続時間により、a超速効型、b速効型、c中間型、d持続型の4種類があります。それぞれの範疇の薬剤ならば、メーカーが違っても代用は可能です。
混合製剤には「超速効型」と「中間型」を混合したものと、「速効型」と「中間型」を混合したものがありますが、混合の割合が近いものならば、注射時間だけ気をつければ、代用可能です。
 
Ⅵ その他
 大災害時には日常では当たり前のことが当たり前でなくなります。しかし、「ものごとの優先順位」をよく考えて、臨機応変に対応したいものです。

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