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2022年11月28日

狭心症とは(その2)

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IV 発症機序からみた分類 
  
発症機序の病態から分類すると、冠動脈プラークでの器質狭窄による狭心症、冠動脈プラークやびらんによる血栓の急速な形成を認めるもの、正常もしくはプラークが沈着した冠動脈の、局所またはびまん性な冠攣縮によるもの、微小血管障害によるもの、に分類されます。急速な血栓形成による狭心症は、急性冠症候群ですが、壊死組織を多く含む不安定なプラークが破綻して、冠動脈内腔にマクロファージやコレステロールなどのプラーク内容物が露出します。このため、急速に血栓が形成されて、狭窄や閉塞を生じます。また、プラークびらんはプラーク表層の変化で、表層の浅い傷害で血栓が形成されます。急性冠症候群の約50%がプラークの破裂、30%がプラークびらんによるものです。
 冠攣縮性狭心症は血管内皮傷害に関連するもので、血管平滑筋細胞が過剰反応して量縮を起こします。この結果、一過性に冠動脈内腔の狭窄または閉塞を来して、心筋虚血を生じます。日本人に頻度が高く、喫煙と関連があります。 
 微小血管障害による狭心症は、微小血管の器質的あるいは機能的異常によって心筋虚血を生じるとされています。冠動脈には血流を傷害する高度狭窄病変や冠簗縮のいずれも認められない症例が少なからず存在しています。 

V 発作の誘因からみた分類 
   
労作性狭心症では、一般的に心筋の酸素需要に対し、供給が不足していることで心筋虚血が生じていると考えられ、動脈硬化による冠動脈の器質狭窄が原因であることが多い。安静にて数分で症状が軽快し、硝酸塩の舌下投与が有効です。 
 安静時狭心症は、特に深夜から早朝にかけて発作が出現する場合、冠挙縮性狭心症が原因であることが多く、硝酸塩の舌下投与が有効です。 

Ⅵ 経過からみた分類 
  
安定狭心症は、ある一定の労作以下であれば症状は出現せず、その闘値も増悪せず、発作 の頻度も変化しません。 
 不安定狭心症は、急性心筋梗塞や突然死などを発症する可能性の高い狭心症の状態です。背景となっている病態には、冠動脈虚血の急速な進行、つまり冠動脈挙縮や不安定プラーク破綻による血栓形成による冠動脈の閉塞や高度狭窄であるとされています。この不安定狭心症から急性心筋梗塞までを共通の病態ととらえ、急性冠症候群の概念が生まれました。

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