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2018年7月31日

白衣高血圧と仮面高血圧(その1)

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Ⅰ はじめに
 
今日、家庭血圧計は急速に普及してきています。我が国では、合計3000万台以上が各家庭で使われています。家庭で血圧を測るようになるにつれて、家庭で測った血圧の方が心臓や腎臓などの臓器障害や生命予後とよく相関することが明らかにされてくると共に、白衣高血圧や仮面高血圧などという疾患概念についても明らかになってきました。

Ⅱ 白衣高血圧
 
診療所や病院などといった医療環境下で測定した血圧が常に高値を示すのに、家庭などの非医療環境下で測定した血圧が常に正常な状態を白衣高血圧といいます。
 白衣高血圧の頻度は報告により様々ですが、高血圧症と診断された人の約20%位だとされています。特に、高齢者、女性、喫煙者にその頻度が高いことが知られており、更に糖尿病患者でも白衣高血圧者の頻度が高いことが示されています。
 白衣高血圧の生命予後に関しては、血圧が正常なものと同じであるという報告や、長期間観察すると持続的な高血圧症への移行や脳卒中のリスクの上昇が認められたという報告もあり、現時点では明確な答えがないというのが実情です。このため、白衣高血圧と診断された場合には、合併する臓器障害、糖尿病や高脂血症といった代謝異常の有無などをチェックして、それぞれの病気に応じた治療をしっかりと行うことが肝要です。高血圧の薬物治療が必要ないと判断された場合でも、注意深く長期間の経過を観察する必要があるとされています。特に、糖尿病を合併しているときには、白衣高血圧の中でも心血管疾患のリスクが高いことが推測されます。実際に、糖尿病を合併する白衣高血圧患者では、無症候性脳梗塞の頻度が糖尿病を合併しない持続高血圧患者と同じだったという報告もあります。このため、糖尿病患者の場合は、白衣高血圧であってもしっかりと降圧治療を行わなければならないと意見もあります。
 非医療環境下での血圧を評価する方法としては、測定方法や測定器械の精度が確立されているならば、今のところ家庭での血圧測定が最も有効な方法といえます。
 すなわち、測定器械としては、測定誤差の大きい指先や手首で血圧を測るタイプではなくて、上腕で測るタイプのものが好ましく、血圧を測定するタイミングは、朝起床後1時間以内で、トイレをすませた後、朝食前、薬を内服する前と、就寝前の1日2回測定法が推奨されています。
 

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