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2019年5月13日

糖尿病と睡眠不足(その2)

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Ⅲ 生活習慣病と睡眠不足
 
 病気や障害は逆に睡眠に影響を与え、不眠や熟眠感の欠如をもたらします。高齢者では不眠を持つものが増えることはよく知られている事実です。しかし、これが加齢そのものが原因で起こることなのか、それとも高齢者では様々な心身の病気を持っていることが多いことがその原因なのかという点は必ずしも明らかではありません。
 最近の米国の調査によると、全く病気のない人に比べて、病気のある人では睡眠障害の頻度が2倍になるとのことです。4つ以上の病気があると、睡眠障害の有病率が4倍にも達するとのことです。この調査ではさらに、生活習慣病関連では、肥満は中途覚醒を、心疾患は入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒を、脳卒中と糖尿病は昼間の眠気を有意に増加させると報告しています。
 これらの報告は、高齢者で睡眠障害を持つものが多い理由として、加齢そのものによるというよりは、糖尿病などの生活習慣病を含む病気を持つものが多いことが重要であることを指摘しています。すなわち、生活習慣病は不眠をもたらす要因であるというのです。

Ⅳ 不眠と糖尿病の関係
 
 糖尿病患者では、高血糖や神経障害などに伴う身体的あるいはうつ・不安障害などの精神的要因や睡眠時無呼吸症候群などの合併症のために、不眠を高率に合併していると考えられています。
 一方、不眠になると交感神経が優位となり、耐糖能が低下して血糖値が上昇することが知られています。そこで、久留米大学病院で行われた糖尿病患者と糖尿病でないものを比較検討した調査結果によると、糖尿病患者では糖尿病でないものに比べて不眠症の頻度が高く、37%を占めていました。不眠のタイプでは、入眠困難19.5%、中途覚醒17.5%、早朝覚醒18.2%で、どのタイプの不眠も糖尿病でない人に比べて多くみられました。
 HbA1cが上昇するにつれて入眠困難を訴える患者の頻度が段階的に増加を示し、糖尿病性神経障害による菓子の傷み、シビレなどを訴える患者で中途覚醒・早朝覚醒を中心とする不眠が高率に認められました。
 入眠困難を訴えていた糖尿病患者に超単時間作用型の睡眠導入薬を投与したところ、6ヶ月後の比較では、投与を受けなかった患者に比べて、HbA1cが約0.6%改善していたことが判りました。すなわち、血糖コントロール不良患者では、不眠が代謝状態を増悪させている可能性があり、不眠を改善することで代謝状態も改善して、血糖コントロールも良好になることが明らかにされました。
 生活習慣病の治療では、食事療法や運動療法の重要性がよく強調されますが、睡眠障害に対する治療もこれらの治療法に匹敵する重要性があるといえます。

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