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2020年1月20日

糖尿病とCKD(その1)

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Ⅰ はじめに
 
慢性腎臓病(Chronicle Kidney Disease:CKD)という新し疾患概念ができ、医学の世界で注目を集め始めています。このCKDという概念は、2002年に米国で提唱され、その後ヨーロッパやアジアへも急速に広まってきています。末期腎不全患者数が顕著に増加してきていて結果として医療費を圧迫しつつあること、CKDが心血管疾患の強力な発症リスクであること、予想以上にCKDの有病率が高く、今後も増加傾向をとると危惧されることなどの全世界共通の問題点がこの背景にあります。
 わが国でもCKD患者は年々増加傾向にあります。末期腎不全では血液透析療法を主とする腎代替療法が必要となりますが、わが国の累積透析患者数は283,432人(平成20年12月)に達し、実に国民の500人に一人が透析を受けている計算になります。いまやCKDは国民の健康に重大な影響を及ぼし、医療費を大きく圧迫している新たな国民病といえます。
 一方、糖尿病の細小血管合併症である糖尿病性腎症は、1998年以降透析導入原因疾患の第1位となり、他の大血管合併症を併発しやすいために、心腎疾患として注目されるようになってきています。

Ⅱ CKDとはどのような病気か
 
日本腎臓病学会が2007年に発表した「CKD診療ガイド」によると、CKDは「蛋白尿などの腎障害の所見または腎機能低下(糸球体濾過率(GFR)60ml/min/1.73m2未満」の状態が3ヶ月以上続いた状態」と定義されています。
 腎障害の所見は、蛋白尿をはじめとする尿異常、血液異常、病理所見の全てが含まれますが、実際には蛋白尿と血液検査での血清クレアチニン値(Cr)から計算されるGFRが60ml/min/1.73m2未満で診断されます。CKDの病期はGFR値に従って分類されます。

CKDの病期分類
1 腎障害はあるが、GFRは正常または亢進     ≧90
2 腎障害があり、GFR軽度低下          60~89 
3 GFR中等度低下                30~59
4 GFR高度低下                 15~29
5 腎不全                    <15           当院の検査データではeGFRと表記されていまが、このeGFRとは日本腎臓病学会が推奨している、血清クレアチニン(Cr)、年齢、性別から計算される推定上の腎機能のことです。    推定(e)GFR(ml/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×年齢-0.287(女性はこれに×0.793)  日本腎臓病学会によると、わが国では20才以上の一般住民で考えると、GFRが60以下の人が約1926万人、50以下の人が418万人いると推定されていて、CKDが決して珍しい病気ではないことが明らかにされています。

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