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2015年6月29日

糖尿病の急性合併症(その2)

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Ⅲ 非ケトン性高浸透圧性高血糖昏睡
 これは、2型糖尿病にみられる急性合併症です。これもインスリンの作用不足が原因です。血糖値が 1000mg/dl以上になることもあります。ケトアシドーシスと違うのは、2型糖尿病の患者さんでは、自身のインスリン分泌があるために、血液が酸性に傾くほどケトン体が産生されないことです。
 自覚症状には体のだるさ、異常な口渇、多尿、脱水による急激な体重減少などがありますが、血糖値が上昇するにつれて意識の低下がおこり、やがて昏睡に至ります。
 この合併症も入院による治療が必要です。

Ⅳ 低血糖昏睡
 糖尿病患者の昏睡の中で一番多いのがこの低血糖昏睡です。
 インスリン治療中の人やインスリン分泌を促進する作用のある経口血糖降下薬(スルフォニル尿素薬、グリニド)を内服している人に起きます。食事療法や運動療法だけの人やインスリン分泌促進作用のない糖尿病薬(α-グルコシダーゼ阻害薬、インスリン抵抗性改善薬、ビグアナイド薬、DPP4阻害薬、SGLT2阻害薬)だけを内服中の人では、低血糖昏睡になることはありません。
 正しい治療を行えば、100%回復します。
 糖尿病患者が低血糖になる原因として、次のようなものがあります。
 ⑴不適切な食事摂取
 ⑵インスリンと経口血糖降下薬の過量
 ⑶インスリン注射手技の誤り
 ⑷激しい運動、上気道感染症
 ⑸合併症
 ⑹併用している薬物
 ⑺アルコール
 治療法、ならびに予防法としては砂糖などの炭水化物の経口摂取、またはブドウ糖液の静脈注射があります。
 低血糖昏睡で意識がなく、救急病院に運ばれてブドウ糖の静脈注射で意識が戻ったときには、すぐに食べ物を摂るようにします。静脈に注射されたブドウ糖は速やかに消費されますので、すぐに効果が切れてしまうからです。このため、病院から自宅に帰る途中で再び昏睡発作を起こしてしまう危険性があります。必ず、口からものを食べて下さい。
 
Ⅴ ハチミツを用意しましょう
 低血糖昏睡や昏睡になる手前の意識が朦朧とした状態のなった時に、自分一人では炭水化物の経口摂取ができないことがよくあります。この様なときは、家人や友人に「ハチミツ」をスプーンで口の中に入れて貰いましょう。意識が朦朧としているときにジュースや食べ物を無理矢理口に入れられると、誤って気管に入り窒息したり、誤嚥性の肺炎を起こしてしまうことがあります。また、意識がハッキリしない人の口の中に指を入れると、噛み切られることがありますから、絶対にしてはいけません。
 このような意識がハッキリしないときでも、口に中にハチミツのような粘調性が高いものが入ると、人は原始的な吸引反射で赤ん坊のようにハチミツを安全にチューチューと吸引することができます。このことは是非覚えておいて下さい。

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