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2015年7月13日

糖尿病の慢性合併症(その2)

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Ⅱ 糖尿病性慢性合併症の進展因子
 
 現在の医学では進行した慢性合併症を完全に治すことはできません。やがては、進行した合併症でも治療できる日がくるでしょう。しかし現時点では、早期発見・早期治療が最良で唯一の方法です。
 糖尿病性慢性合併症を起きやすくする、あるいは重症化する因子には、次のようなものがあります。

1)発病年齢:糖尿病の発症年齢が若いほど合併症が進行し易いといわれています。

2)病型:1型>2型
  1型の場合、最初の内の合併症の発現頻度は、あまり高くありません。しかし、いい加減な治療をしていると、10年位してから急速に合併症が進行します。
  2型の場合、罹病期間が長くなるにつれて、徐々に合併症の発現頻度が上昇してきますが、1型のように急速に悪化することは稀です。しかし、2型の場合は、糖尿病と初めて診断された時が、必ずしも糖尿病が発症した時とは限りません。慢性合併症(例えば網膜症など)で糖尿病と診断されることもありますから、いつから糖尿病になったのかが判らないことがよくあります。自分はまだ大丈夫だと油断することは禁物です。

3)罹病期間:罹病期間が長いということは、それだけ合併症の危険が高くなってきているということです。今まで何ともなかったのだからと、油断をしてはいけません。定期的な検診が大切です。

4)未治療期間:糖尿病状態になったその瞬間から、慢性合併症は始まっているといわれていますが、これらの初期変化は早期に良好な血糖コントロールを維持することで、正常な状態に戻すことができます。

5)血糖コントロール:良好な血糖コントロールは、合併症予防の第一歩です。HbA1cを7.0%以下にするのが最初の目標で、6.0%以下を保っていれば細小血管障害の心配はありません。

6)血圧:血圧を正常に保つことは、動脈硬化と腎症の発症予防のために特に重要です。目標は120 / 80mmHg以下です。

7)妊娠:糖尿病のコントロール状態が悪いままで妊娠・出産をすると、網膜症などの合併症が急速に悪化することがよくあります。計画妊娠・計画出産が大切です。

8)体重:太りすぎていたり、痩せすぎたりしている患者さんは、適正な体重の患者さんより、合併症の発症率が高いことが知られています。

9)栄養:自己流の誤った食事療法を行って栄養状態が不良な患者は、慢性合併症の進行が早いことがあります。ご飯を食べずに肉とか魚ばかり食べていると、高タンパク食になり腎症の進行を早めます。

10)素因:遺伝的な要素も見逃せません。特に、糖尿病性腎症は遺伝的な要因が高いといわれています。

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