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2019年7月14日

糖尿病の病型と運動療法(その2)

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2)歩行運動はどのように行うのがよいのか(続き)
 
この点に関して、我が国では「健康づくりのための運動指針2006」が制定され、身体活動の指針が発表されました。このガイドラインでは、生活習慣病を予防するために、週23エクササイズ(メッツ・時)の活発な身体活動(運動、生活活動)とそのうちの4エクササイズは活発な運動をすることを目標にしています。この指標となっているメッツとは、身体活動を表す単位で、座って安静にしている状態で1メッツ、普通歩行が3メッツに相当します。エクササイズは身体活動の量を表す単位で、メッツに時間をかけて算出します。週23エクササイズを1日あたりの歩数で換算すると、8、000~10、000歩程度に相当します。週に4エクササイズの活発な運動は、速歩であれば約60分程度になります。この運動指針は糖尿病患者さんでもおおむね当てはまる指針ですが、実際には健康な成人を対象にしているために、糖尿病患者さんでは合併症の有無や治療内容を加味してその内容を調整する必要があります。

3)運動の強度
 
運動の強度としては、最大酸素摂取量の50%前後の運動が推奨されています。目標心拍数は推定最大心拍数(220ー年齢)/分を基にして決められ、50才未満では100~120拍/分、50才以降は100拍以内/分に留めます。また、合併症や他の医学的な問題を有さない糖尿病患者さんでは自覚的な運動強度を用いた方が、より簡便でなじみやすいでしょう。その場合の目安は、自覚強度が「楽である~ややきつい」程度で、具体的には「汗が出るかでないか」、「話しながら続けられるか」などが指標となります。

4)レジスタンス運動

レジスタンス運動には、インスリン抵抗性を有酸素運動と同程度に改善させるだけではなく、骨格筋量、筋力を同時に増強させることから、その重要性は近年ますます強調されてきています。このため、レジスタンス運動については禁忌でなければ行うことが勧められています。簡単なレジスタンス運動を行う方法として水中での歩行があります。その場合、水の抵抗により、軽度の抵抗が得られ、筋肉量の維持や増加に貢献すると思われます。腰痛を訴える患者さんでは、浮力がかかる分関節の負担が減るとともに運動量も稼げるという一石二鳥の良い運動方法になります。しかしながら、レジスタンス運動では、強い負荷をかけたときに、血圧の急激な上昇を招くことがあるために注意が必要です。力を入れるときには必ず「息を吐く」という基本を忘れないようにして、安全で確実なレジスタンス運動をするようにして下さい。

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