再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2015年8月10日

糖尿病性網膜症(その2)

0

Ⅲ 糖尿病性網膜症の病期分類
 
1)単純性網膜症
 一番初期の変化です。網膜に小さな出血や網膜の動脈壁に小さな血管瘤ができます。視力異常はありません。良好な血糖コントロール(ヘモグロビンA1c6%以下)を維持すれば、元に戻ります。

2)前増殖性網膜症
 網膜血管が弱くなり、血液などが血管外へ漏れやすくなります。大出血が起こることもありますが、この出血は自然に吸収されます。まれに出血の痕が残ることもあります。網膜に血液が供給されない部分(虚血部位)もできます。障害された部位によっては、視力障害がでます。光凝固療法の適応となります。

3)増殖性網膜症
 この時期までくると、網膜症は元に戻りません。虚血部位に血液を送るために、新しい血管(新生血管)ができてきます。この血管はもろいために大出血の原因となります。出血が硝子体の中にも起こり、その瘢痕が収縮するために、網膜を牽引して網膜剥離が起こります。緑内障や網膜剥離のために失明する危険性があります。

Ⅴ 糖尿病性網膜症と眼科診察
 大切なことは、たとえ自覚症状がなくても視力検査や眼底検査などの眼科的検査を定期的に受けるということです。医師の指示にしたがい、必要に応じて受けることも忘れてはなりません。
1 網膜症なし 1 回/年
2 単純性網膜症 2 回/年
3 前増殖性網膜症 1 回/ 1〜3 月
4 増殖性網膜症 1〜2 回/月

Ⅵ  糖尿病性網膜症の治療
 糖尿病性網膜症治療の原則は、早期発見・早期治療です。増殖性網膜症を完全に治す方法は、まだありません。網膜症の進行を遅くして、天寿をまっとうするまで、視力を確保しようとするのが、現在の治療法の原則です。治療法には、
1 糖尿病のコントロール  
2 薬物による保存的治療
3 光凝固
4 冷凍凝固(白内障などで光が通過しない場合) 
5 硝子体手術 (硝子体出血・網膜剥離)
などがあります。

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日