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2015年8月5日

糖尿病性網膜症(その1)

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Ⅰ はじめに 
 
 長い間、日本を始めとした欧米先進諸国では、後天的な失明の原因の第1位は糖尿病性網膜症でした。これは、いつから糖尿病になったのかも判らず、正しい糖尿病治療を受けることもなく、血糖コントロールが悪い状態が長く続くことが多かった頃の話です。人間ドックや住民健診、社内健診などが一般化して、早期から糖尿病と診断されて治療が開始されるようになった現在では、失明の原因の第1位の座を緑内障に譲りましたが、依然として網膜症で悩んでいる患者さんは少なくありません。
 糖尿病性網膜症は、はじめの内は自覚症状がほとんどないため、自覚症状で実際の網膜症の進行具合いを推定することはできません。自覚症状がでたときには、既に網膜症がかなり進行している場合がほとんどです。一般的には、糖尿病性網膜症は罹病年数に比例して増加していくといわれていますが、専門の眼科医による精密検査ではじめて分かるもの迄入れると、糖尿病と診断されたばかりの人でも網膜症がすでに合併していることもあります。これは2型糖尿病の場合、本当はいつから糖尿病なのかが分からないことが多いためです。初めて糖尿病と診断されたときより前から、長いこと糖尿病であった可能性が高いためです。
 糖尿病になってからの期間が15年間の糖尿病患者を調べた結果、患者の45%が網膜症を合併していたとの報告もあります。
 ただし、良好な血糖コントロールを維持すれば、網膜症の心配は少なくなります。
        
(参考)糖尿病罹病期間と網膜症の合併頻度
            5 年未満 15 %
            5〜10年 25 %
           10〜20年 60 %
            20年以上 75 %

Ⅱ 網膜症とは何か
 網膜とは私たちが光を感じて、ものを視るための神経組織のことで、大脳神経組織の一部です。この大脳の一部が前面に突出して眼球を構成しています。神経組織は血液を豊富に必要とするために、網膜の神経も三層構造をした細かい血管が複雑に入り組んで血液を供給しています。
 糖尿病は、別名「血管病」ともいわれるように、細かい血管に障害が起こる病気です。このため、細かい血管が豊富な末梢神経や腎臓、そして網膜が障害されるのです。
 網膜症はその進行時期により、単純性網膜症、前増殖性網膜症、増殖性網膜症に分類されています。

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