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2015年8月31日

糖尿病性腎症について(その1)

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Ⅰ はじめに 
 
 糖尿病性腎症は、少し前までは糖尿病患者の死因の上位を占めていた恐ろしい合併症の一つでした。血液透析や腎移植が広く行なわれるようになった現在では、糖尿病性腎症が進行して起こる腎不全が原因で、生命が危うくなることは少なくなりました。しかし今でも、糖尿病患者の死因の16〜20% を占めていて、怖い合併症の内の一つには変わりはありません。また、毎年約1万人の糖尿病患者さんが新たに人工透析を導入されるようになってきていて、人工透析導入の原因疾患の第一位となっています。
 また、腎臓の人工透析は治療費がとても高い治療法ですので、透析患者さんが増えるということは、医療経済上も好ましいことではありません。腎症の進行は患者さんの普段の少しの努力で十分に予防できることなのですから。

Ⅱ 症状  
 糖尿病性腎症に特有な症状は、病気がかなり進行しないと出てきません。腎症は、その進行の程度にしたがって4期に分けられます。

1 無症候性糸球体障害の時期(糖尿病発症後10年間位の間)
 血液検査や尿検査には何の異常もなく、自覚症状も全くありません。

2 初期腎症(糖尿病発症後10〜15年の間)
 普通の尿検査では、蛋白尿は陰性だったり、陽性だったりする(間欠性蛋白尿陽性)時期です。しかし、精密検査では、尿中に微量なアルブミン(蛋白質の一種)の排泄が増加しています。
 この時期も特に自覚症状は何もありませんが、血圧(特に拡張期血圧=最低血圧)がだんだんと上昇してきます。

3 臨床的腎症(糖尿病発症後15〜20年の間)
 いわゆる「腎症」と呼ばれる時期のことです。この時期以降の腎臓に起こった変化は、いくら糖尿病のコントロールをしても、元に戻ることはありません。尿蛋白はいつ測っても、陽性を示し、高血圧となります。 また、手足のむくみ(浮腫)もみられます。  

4 末期腎不全
 腎機能が更に悪化して機能が完全に廃絶して、最終的には尿毒症となります。血液透析(人工腎臓)が行われるようになる以前は、この腎不全による死亡が糖尿病患者の死因の第一位でした。

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