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2015年9月7日

糖尿病性腎症について(その2)

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Ⅱ 治療

1)血糖コントロール:何よりも大切なのは、糖尿病といわれたその日から、良好な血糖コントロール状態を維持することです。

2)血圧のコントロール:血圧を正常範囲内にコントロールすることが、腎症の進行を遅します。目標値は 120 / 80 mmHg以下です。 
 年令+100 mmHgが、最高血圧の正常値だというのは迷信です。

3)食事療法:初期腎症の時期で高血圧の見られる場合は、一日の塩分摂取量を 6g以下 に制限します。
 臨床的腎症の時期より、低タンパク食にする必要もあります。一日の総タンパク量を0.7〜1.0 g/Kg 体重に制限します。この時期に高血圧の見られる場合は、引続き塩分制限を行います。
 末期腎不全の場合は、タンパク制限を0.6〜0.8 g/Kg 体重よりも一層 強力に行う必要があります。必ず医師や栄養士の指示にしたがって下さい。

4)血液透析(人工腎臓):自分の腎臓できれいに濾過できなくなったときに、血液を人口濾過器で浄化する人工透析も長い治療経験を積んできたため、以前より安全で快適な透析を受けられるようになりましたが、日常生活の大幅な制約を受けることには変わりはありません。

5)CAPD(腹膜透析):血液透析を受けるためには、週に数回透析センターに通う必要があります。一回の透析は5時間位かかりますから、日常生活は大きな制約を受けます。このような不自由さを解消してくれるのが、家庭で行うCAPDです。透析液を腹部にいれて、腹膜を介して血液中の老廃物を浄化する方法です。

6)腎臓移植:臓器移植は拒絶反応を抑える免疫抑制薬の進歩と共に、一般化しつつあります。最近では、腎臓移植の成功率はほぼ100%です。ただし、日本では臓器提供者が少ない問題と、脳死問題との絡みで死体からの臓器移植が難しいために、臓器移植はまだまだ一般的ではありません。また、糖尿病の場合はたとえ新しい腎臓を移植されても、血糖コントロールが悪ければ、再び腎臓が悪くなることを忘れてはいけません。

4)〜6)の治療法は、末期腎不全である尿毒症となった場合の治療法です。

7)エリスロポエチン注射:腎機能が低下すると、腎臓で作られるエリスロポエチンという赤血球を作るのに必要なホルモン産生が低下するため、貧血になります。以前はこの治療のために輸血しか方法がありませんでしたが、血清肝炎感染などの重篤な副作用が高頻度に発生するのが大きな問題でした。現在は人工的に合成したエリスロポエチンを使用することで、安全に貧血治療ができるようになりました。

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