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2019年12月9日

糖尿病治療を中断しないために(その2)  

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Ⅳ 治療中断と網膜症
 
糖尿病性網膜症は進行してしまうまで自覚症状が伴いません、糖尿病性網膜症による失明という悲劇を防ぐために大切なことは、糖尿病の早期発見、早期治療開始と治療の中断阻止であることはよく知られています。眼科治療の進歩により、網膜症による失明者は年々減少していますが、網膜の黄斑部が障害されないと自覚症状が現れてないために、たとえ網膜症が進行していても患者さんには何の自覚症状もありません。このために、光凝固療法などの適切な治療が、適切な時期に受けられないことがよくあります。治療を中断した患者さんに進行した網膜症が多くみられることもよく知られています。

Ⅴ 治療を中断しないために

1)糖尿病のことをよく知ること
 糖尿病という病気は、一度なると一生涯つきあわなければならない病気です。このことが負担になり、治療中断に至ることがよくあります。何故、治らないとされる糖尿病を治療しなければならないのか、糖尿病という病気のことをよく知ることが、治療中断を防ぐ基本です。

2)糖尿病の治療方法についてよく知ること
 
糖尿病が直ぐに良くならないと、受診する意欲が減少するために、治療が中断する患者さんも少なくありません。糖尿病は血糖値が高い状態が持続するために、様々な合併症が引き起こされる病気です。血糖値を可能な限り正常化するのが治療に基本です。しかし、だからといって、強力な治療法を用いて、急激に血糖値を正常化しようとする治療方法は、重篤な低血糖を引き起こして心筋梗塞や脳梗塞などを誘発する危険性が高いことが知られています。このため、多くの場合、血糖コントロールは低血糖が起きないように、ゆっくりと行うのが基本とされています。HbA1cを低下させる早さは1%/月位が望ましいといわれています。主治医は患者さんに最適で安全な方法で治療を開始しています。自分の思うような早さで糖尿病が良くならないと、焦ることは禁物です。

3)糖尿病は治らない病気だけども、上手につきあえば怖くない病気であることを知ること。
 
糖尿病が良くなると、治ってしまったと勘違いして、治療を中断する患者さんが少なくありません。HbA1c5%台を維持していた患者さんが治療を中断して、1年後に再受診したときにはHbA1cが12%以上だったということを良く経験します。残念ながら、糖尿病は今の医学では直すことができない病気です。HbA1cが正常化したことは喜ぶべきことですが、そのことが治療を中断しても良いという保証にはなりません。糖尿病は上手につきあえば、糖尿病でないヒトと全く同じ生活が送れることを良く理解して、毎日の治療に励むことが治療中断を予防するための基本ルールといえます。

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