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2016年6月20日

肥満について(その2)

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Ⅲ 肥満の判定方法
 
 肥満とは体脂肪量が過剰に蓄積した状態ですから、肥満度を正確に判定するには、体脂肪量を測定する必要があります。しかし、この体脂肪量を正確に測定するのは、日常の診察などでは難しいので、一般的には次の様な方法で肥満度を判定しています。

1)身体計測(身長と体重)による判定方法
 
 (a) 肥満度=(実測体重ー標準体重)/標準体重×100%
 (b) Body Mass Index(BMI)=体重(Kg)/身長(m)×身長(m)

 これまでは、(a)の方法が一般に使われていました。しかし、日本肥満学会は(b)の方法を推奨しています。多数の成人男女でいろいろな病気の有無とBMIの関係を検討したところ、男女共にBMIと疾病率の関係はJ字型を示し、男性では22.2、女性では21.9のBMIで疾病率が最小になることが判りました。このため、BMIの22を、最も病気にかかりにくい体重として、標準体重とすることにしています。BMIが24以上を肥満としています。

2)体脂肪率(量)による判定
 
 体脂肪量を直接測定することが肥満の判定方法としては最も正確な方法ですが、これまでは水中で体重を測る必要があったため、一般には用いられませんでした。しかし、最近は体重計と一体型の装置で、身体に微量電流を負荷して、身体組織の電気伝導度の違いから体脂肪量を推定する、立体生体インピーダンス法が実用化され、一般家庭でも簡単に体脂肪量が測定できるようになりました。この方法では、
       
  男性  正常 17〜23%  肥満 25%以上 
  女性  正常 20〜27%  肥満 30%以上  

3)体脂肪の蓄積状況からみる判定方法(ウエスト/ヒップ比、W/H比)
  
   W/H比=おへその部位での周囲長/おしりの最大周囲長
 
 これは、腹部への脂肪の蓄積や臀部への脂肪の蓄積を表し、この値が大きくなれば上半身(腹部)の肥満、小さくなれば下半身(臀部)の肥満を示すとされています。外国のデータでは、W/H比が大きい上半身肥満では下半身肥満に比べて糖尿病を合併する危険性が高いとされています。
 日本人では、W/H比が男性では1.0以上、女性では0.8以上が上半身肥満と判定されます。

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