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2016年6月27日

運動療法の功罪(その1)

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Ⅰ 運動療法は無条件に体にいいのか

 運動療法は、食事療法と薬物療法とともに糖尿病治療の三本柱の一つとして、無条件に位置づけられてきました。「何が何でも運動をすれば、血糖値は下がるし、無条件に体に良い」と信じられてきました。しかし、運動生理学の進歩と、運動の糖尿病患者の代謝状態への影響の解明が進むにつれて、重要な点が明らかになってきました。
 ひとつは、インスリン治療中の患者では、運動は多くの利点と共に少なからぬリスクもあるということです。このため、すべての糖尿病患者の治療プランに無条件に運動療法を含める必要があるという、これまでの理論が訂正され、医師は必要に応じてその患者に適切で安全な運動を指示する様になりました。
 次に、規則正しい運動は、肥満していて、インスリン抵抗性を認め、幾つかの心血管系のリスクファクターがある2型(インスリン非依存型)糖尿病患者の治療では、今なお重要な役割を果たしているということです。

Ⅱ 運動療法の利点

 運動療法には多くの利点がありますが、次にあげるものが代表的な利点です。
1)急性の血糖降下作用と長期的にみた血糖コントロールの改善
  運動が長すぎたり食事が不十分なときは、低血糖となることもあり、この意味で利点とも危険性ともいえます。しかし、上手に運動すれば、短期の血糖調節に手段として極めて有効です。

2)インスリン感受性の増加
  鍛錬された運動選手は、一般の人に比べて血中のインスリンは低値です。また、運動後も数時間はインスリンによる細胞への糖の取り込みが亢進します。この効果が、2型糖尿病患者で運動療法を行う最大の理由です。

3)LDLコレステロールと中性脂肪が低下し、HDLコレステロールが増加する心血管系のリスクファクターの低下作用です。

4)軽症から中等度の高血圧の改善
  適切な運動を2ヶ月以上続けると、最高血圧と最低血圧のいずれもが5〜10mmHg低下します。

5)減量時のカロリー消費の増大
  食事療法と運動を併用することでより効果的な減量が行えます。

6)安静時心拍数の低下
  心臓能力が向上し、心臓への負荷の軽減につながります。

7)身体活動能力の増加

8)健康感および生活の質の改善

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