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2022年11月7日

脂質異常症と生活改善(その1)

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Ⅰ はじめに 
  
脂質異常症の基本は食事・運動療法を基本とした生活習慣の改善にあります。バランスのとれた適量の食事と適正な運動の継続が全ての生活習慣病に有効であるため、糖尿病や高血圧症、肥満症などの治療ガイドラインでも同じ方向性の食事・運動療法が推奨されています。また、脂質異常症を含めた生活習慣病治療の最終目標は動脈硬化性疾患の予防にあるため、血清脂質の低下はかりでなく、動脈硬化予防をも見据えた治療が大切となります。 

Ⅱ 朋旨質異常症改善に向けた摂取エネルギーの適正化と体重減少 
  
脂質異常症を始めとする生活習慣病の病態には、内臓脂肪蓄積を基盤としたインスリン抵抗性が深く関与しています。特定健診で「積極的支援」として生活習慣に介入された肥満者では、1年後に1~3%の体重減少で中性脂肪(TG)、LDL-Cの低下とHDLCの上昇が認められています。内臓脂肪の減量を計るためには、総エネルギー摂取を適正化することが最も重要です。我が国では標準体重と日常生活活動量をもととした日本糖尿病学会の指標が広く用いられています。
                                  
総エネルギー摂取算定の目安
  標準体重(Kg) = 身長(m)×身長(m)×22
  総エネルギー摂取量 = 標準体重×身体活動量
  身体活動量(kcal/Kg標準体重) = 25~30軽い労作(デスクワークが多い職業など)
        30~35普通の労作(立ち仕事が多い職業など)
        35~重い労作(力仕事が多い職業など)

Ⅲ 脂質異常症改善に向けたエネルギーバランス
  
摂取エネルギーのバランスについては、2015年に厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準」で、炭水化物50~65%、蛋白質13~20%、脂質20~30%が提唱されていますが、この基準は健常人に向けられたものであり、脂質異常症患者では炭水化物50~60%、脂質20~25%が推奨されています。
 炭水化物摂取を制限すると、短期間で体重減少や脂質代謝の改善が得られるとする報告が多くありますが、極端な炭水化物制限は長期間にわたる継続が困難で、1年後には総エネルギー制限食で得られる体重減少と差がなくなることも問題視されています。低炭水化物食は低脂肪食に比べて1年後にもTGとHDLCの改善は維持されますが、LDL-Cが増加することが示されています。このため、適量までの炭水化物制限が代謝異常の改善に推奨されています。

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