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2015年10月5日

血糖値について

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Ⅰ 血糖値とは何か 

 その昔、ギリシャの哲学者ソクラテスは、「人はパンのみにて生くるものにあらず」といいましたが、私たちは生きていくためには食事をしなければなりません。食事をすることによって私たちの身体が生きていくためのエネルギーを補給しているのです。
 私たちは食事として様々な食品を食べますが、エネルギー源として主に使われるのはごはんやうどん、パンなどに主に含まれている炭水化物と肉や魚などに主に含まれている脂質です。私たちが食べた食品は、胃や腸で細かく消化・吸収されて血液の流れの中に入り、全身の臓器に運ばれてエネルギーとして使われます。これらの細かく消化・吸収されたものの中でも、主に炭水化物から作り出されるブドウ糖は、エネルギー源として一番重要です。この血液中に含まれるブドウ糖の濃度を血糖値といいます。
 普通は血液 100 ml(1 dL) の中に含まれるブドウ糖の量(mg)で表します。血糖値は食事をすれば上がるし、お腹がすいてくれば下がりますが、普通は60 mg/dLから130mg/dLの間にコントロールされています。

正常血糖値:空腹時 109 mg/dL以下
                  食 後 160 mg/dL以下

Ⅱ 食事と血糖値
 
 ここで、私たちが一度食事をしたときに、理論的に血糖値はどれくらい上昇するかを考えてみましょう。
 体重60キロの人が800キロカロリーの食事(少しコッテリしたコンビニ弁当に相当)をした場合を考えてみます。この時、食事の半分(400キロカロリー)を炭水化物として食べたとします。400キロカロリーの炭水化物は100gのブドウ糖に相当しますから、食事をした直後にはこの人の血液中(約4600 ml÷100ml=46 dL)には、100g(=100,000mg)のブドウ糖が入ることになります。つまり、100,000mgのブドウ糖を46dLの血液で溶かしたものが血糖値となります。計算してみると、
            100,000 mg ÷ 46 dL = 2173 mg/dL 

となり、血糖値はとんでもない値にまで上昇してしまうことになります。
 ところが、先に説明したように、正常な人の血糖値は食後でも130mg/dlを越えることはありません。糖尿病の人でも、2000mg/dL以上の血糖値になることはまずありません。このように血糖値が70〜130mg/dLという狭い範囲にあるのはインスリンというホルモンの働きのおかげなのです。したがって、インスリンが全く分泌されない1型糖尿病の人や、インスリンの働きが上手くいかない2型糖尿病の人では、血糖値が糖尿病ではない人よりも高くなるのです。

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