再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2017年9月4日

血糖値に影響を与える物質(その1)

0

Ⅰ はじめに
 
 私たちの体の中では、血糖値を微妙に調整するために、血糖値を低下させる働きのある物質ばかりではなく、血糖値を上昇させる働きのある物質も必要なのは当然といえます。このような多くの物質(ホルモン)の働きで、私たちの食事時間がまちまちでも、血糖値は高からず低からず、常に必要なだけ血中に存在して、全身に供給される仕組みになっているのです。また、スルフォニル尿素薬(SU薬)などを内服中の患者さんでは、SU薬の働きを強めたり、弱めたりする薬物がありますから、注意が必要です。

Ⅱ 血糖値を下げるホルモン
 
 私たちの体の中で、血糖値を下げる働きのあるホルモンは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるインスリンだけです。
 インスリンはほとんど隈なく全身の細胞へエネルギーとなるブドウ糖(グルコース)を供給するために働きます。

Ⅲ 血糖値を上げるホルモン
 
 血糖値を下げるホルモンがインスリン一つしかないのに対して、それぞれ異なった働きを持ちながら、血糖値を上昇させるホルモンはたくさんあります。代表的なホルモンとしては、
 
 1)グルカゴン:膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌されます。インスリンと全く反対の働きをするホルモンで、血糖値を上げる働きがあります。
 
 2)成長ホルモン:脳下垂体の後葉から分泌されます。身体の成長に必要なホルモンですが、大人になってからも活発な身体活動にはこのホルモンが必要です。
 
 3)甲状腺ホルモン:頚部にある甲状腺から分泌されます。このホルモンの分泌が上昇しているバセドウ病(甲状腺機能亢進症)では血糖コントロールは悪化しますし、反対に低下すると、血糖値は低下傾向になります。
 
 4)副腎髄質ホルモン:ストレスを感じると分泌されるアドレナリンやノルアドレナリンなどは、血糖値を上昇させます。
 
 5)副腎皮質ホルモン:ステロイドホルモンの名前が有名です。このホルモンは内服薬や注射薬、外用薬として医療のあらゆる分野で幅広く使われているために、注意が必要です。

 これらのホルモンは、それぞれ私たちの成長や活動のために働くため、各栄養素やエネルギーを要求します。そのため、血中のブドウ糖を増加する方向に働くのです。

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日