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2015年5月25日

運動療法について(その2)

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Ⅲ 運動の種類(その2)

②静的運動:体位を固定した状態で行う運動、すなわち体重の移動を伴わない運動のことをいいます。

 

⒜アイソメトリックス:筋肉の収縮を持続する等尺運動のこと

押す、引くなどの一定の力で全身の筋肉組織のそれぞれに負荷を加え、筋力を維持増強させることのできる運動です。筋力は20代を頂点に加齢と共に低下し、「使わなければ萎縮する」という、廃用性萎縮の原理を正しい筋力トレーニングで予防する必要があります。筋肉組織のおける糖代謝も糖尿病では重要ですから、糖尿病の運動療法では行う必要のある運動といえます。

 

⒝アイソトニックス:同一動作で、同一重量による筋収縮を繰り返し行う運動のことをいいます。

筋肉の持久力を養うために効果的な運動で、腕立て伏せ、懸垂運動、ボートこぎ、などがあります。いわゆるボディビルで行う運動です。実際に行える運動の種類が限られていることと、負荷量の設定が難しいために糖尿病の運動療法では余り勧められていません。この運動の負荷量の設定方法としては、繰り返して15回以上できない負荷量の運動(最大筋力の60〜80%の負荷量)を、2〜3セット繰り返すという方法が一般的です。

 

Ⅳ 運動療法の強さ

体重の減量を目的で運動するときには、強さの低い運動を長時間持続する方が、激しい運動を短時間するよりも減量効果が大きいことが判っています。徒に強い運動をすることは体によくありません。

運動の強度は、最大運動負荷をしたときの酸素消費量で表しますが、最大運動能力の50%位の運動の強さが、糖尿病の運動療法には適しています。運動負荷量は心拍数(脈拍数)に比例するために、運動中の自分の心拍数(脈拍数)を測ることで運動強度を知ることができます。次の式で求められる脈拍数が、年令毎の50%程度の運動強度の目安です。

 

運動中の脈拍数(拍/分)≒138-年令/2

 

反対に脈拍数が1分間に100にもならないような、余りに軽い運動は全く効果がありません。したがって、運動中は脈拍数に注意して、脈拍数が1分間に100から120位になるような運動をできるだけ長時間するのが、糖尿病の運動療法として好ましいといえます。

 

なお、運動中の水分補給に気をつけて、脱水にならないようにしてください。

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