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2022年9月12日

配合剤について(その2)

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Ⅳ 2型糖尿病での配合剤の意義 
  
2型糖尿病の病態は一元的ではなく、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性が様々に組み合わさり、インスリン作用不足を起こすことで発症します。したがって、良好な血糖コントロールを達成するために、それぞれの病態にあわせた治療を行うと、数種類に及ぶ薬剤を用いることになります。その中で異なる作用機序の薬剤を組み合わせた配合剤は、患者さんにとっては服薬錠数や回数などの負担が軽減するこができます。これは服薬遵守にも通じ、結果的に血糖コントロールの改善にもつながります。実際に、2剤併用から配合剤に切り替えたら、服薬遵守率低下リスクが約25%低下したとの報告があります。 

V背後剤の実際 

1)リオベルHD錠
インスリン抵抗性改善薬(アクトス錠)とDPP4阻害薬(ネシーナ錠)との合剤です。DPP4阻害薬は内因性GLP-1(glucagon like peptide-1)の血中濃度を上昇させることで、血糖依存的にインスリン分泌を促進します。したがって、インスリン抵抗性とインスリン分泌不全の二つの病態に対応した薬剤ですが、低血糖を起こすことはありません。アクトス錠の配合量によりLD(15mg)とHD(30mg)の2種類があります。 

2)エクメットHD錠、メトアナ配合錠HD 、イニシンク配合錠
 DPP4阻害薬(エクア錠、スイニー錠、ネシーナ錠)とビグアナイド薬(メトホルミン)との合剤です。メトホルミンは肝臓でのインスリン作用を増強することで、肝臓での糖新生を抑制し、脂肪合成も抑制します。メトホルミン配合量によりLD(250mg)とHD(500mg)の2種類があります。 

3)グルベス配合錠 
 α-グルコシダーゼ阻害薬(ベイスン)と速効性インスリン分泌刺激薬(グルファスト)との合剤です。α-グルコシダーゼ阻害薬は小腸近位部上皮に存在する二糖類から単糖類に分解する酵素(α-グルコシダーゼ)を阻害することで、小腸上部での糖の吸収を遅らせることで食後高血糖を抑制します。グルファストは食後のインスリン追加分泌を速やかに刺激します。両者共に食直前内服となっていますので、配合剤も食直前内服となります。

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