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2022年4月18日

非アルコール性脂肪肝(その1)

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Ⅰ はじめに
 
非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症を基盤とするメタボリックシンドロームの肝臓での表現型として捉えられていて、ライフスタイルの欧米化に伴ってわが国で急増しています。肝臓の組織診断または腹部超音波検査などの画像診断で脂肪肝を認め、アルコール性肝障害やウイルス性肝疾患などを除外したうえで、炎症を伴わない非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver : NAFL)と、慢性炎症から肝線維化さらには肝硬変へ進行する非アルコール性脂肪肝炎(non-aicoholic steatohepatitis : NASH)に分類されます。
 NAFLDのおよそ10~15%がNASHに進展すると考えられていますが、その発症機序は不明で、確立した薬物療法もありません。NASHは肝生検による組織診断でしか診断できないため、治療する前にNAFLとNASHの鑑別診断を行い、治療方針を決めます。
 NAFLであれば、生活習慣の改善を行うことが治療の基本となりますが、NASHはまず肥満があるときは食事・運動療法による減量が治療の基本となります。肥満がない場合は、背景となる基礎疾患に応じた薬物療法を行うことになります。

Ⅱ 食事・運動療法
 
NAFLおよびNASHは肥満を合併していることが多いことから、体重減少による効果に関する臨床試験がいくつかあります。組織学的にNASHと診断された人たちを食事・運動療法で平均7.0%以上の体重減少させた人たちに、肝細胞レベルでの組織学的な改善を認めました。また、糖尿病を合併したNAFLDで食事・運動療法でも体重減少で肝脂肪化が改善することが明らかになっています。
 肥満を伴うNAFLDに対する食事療法単独の介入では、低カロリー食が用いられていいますが、そのエネルギー比率は炭水化物が50~60%、脂質が20~25%に制限されていました。低カロリー食による体重減少はNAFLDでの肝脂肪化を改善する可能性があるため、脂質の割合を制限した低カロリー食を摂取することが推奨されています。
 一方、食事療法を行わない運動療法単独での介入研究では、30~60分,週3~4回の有酸素運動を4~12週間継続すると、体重減少を伴わなくても肝脂肪化が改善することが示されています。

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