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2015年4月27日

食事療法の原則(その2)

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Ⅳ 正しい栄養バランスをとる

「食品交換表」の指示通りに食事をすると、ごはんが多くて、おかずが少ないことに気が付くはずです。私が名大病院に勤務していたときに、入院患者さんから、「大学病院は予算がないから、おかずを節約して、ごはんで腹を膨らませている」と病院の給食に文句をいう人がいました。確かに、牛肉がなくて、鶏肉しかでなかったのは予算の関係でしたが、ごはんを増やしているのは、決して予算を節約しているからではありません。それが正しい栄養バランスだからです。

正しい栄養バランスとは、炭水化物 60%、脂質25%、タンパク質15%からなる食事のことです。

1972年から日本人の糖尿病患者が急増してきています。この間に日本人の一日の摂取カロリー数は増加していません。現在の日本人の一日の平均摂取エネルギー量は約2000キロカロリーだといわれています。フランス人が3000キロカロリーでイタリア人が3800キロカロリーもとることに比べても、私たち日本人の食事摂取量が決して多くないことが分かると思います。

一日当たりの摂取脂肪量が増加しているのです。ごはんを減らして、おかずばかりを食べるという食習慣が、脂肪摂取量を増やし、糖尿病を増やしたのです。

ですから、食事中の脂の摂取を控えることが大切です。脂が乗った季節の旬の食べ物を少し控えたり、刺身ならトロを止めてマグロにするなどの配慮が必要になりますから、結果として糖尿病食では、おいしいものが余り食べられない、というのもあながち間違いとはいえません。

Ⅴ 低炭水化物食について

最近、低炭水化物食が糖尿病や健康によいという話がマスコミを賑わせています。糖尿病患者はご飯を食べるのを止めてステーキを食べていれば健康になる、と説いている本もあります。この様な考え方は100年以上前のインスリンが発見される前の、糖尿病を治療する方法が全くない時代の考え方です。炭水化物を摂ると血糖値が上がるから炭水化物は摂らない方がよいと、糖尿病治療の神様といわれているジョスリン先生も間違って考えていました。

炭水化物(ブドウ糖)は人の体になくてはならない物質です。私たちの脳はブドウ糖が唯一のエネルギー源で、正常な機能を維持するためには1日あたり120グラム以上のブドウ糖が必要です。全身に酸素を運ぶ赤血球も1日30グラムのブドウ糖が必要です。ブドウ糖をしっかり摂らないと膵臓はインスリン分泌をスムーズに行うことができなくなります、などなど極端に炭水化物を制限することは私たちの体には百害あって一利もありません。

炭水化物を摂らないと痩せるという人もいますが、これは炭水化物を制限すると脱水になって体重が落ちるという現象をみているだけで、けっして皮下脂肪が減少するということではありません。

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