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2023年10月15日

食品交換表とカーボカウント(その1)

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Ⅰ はじめに 

糖尿病における食事療法は、その治療の根幹をなす合併症の発症並びに進展を未然に抑制し健康寿命を延長する目的のために、良好な血糖コントロールを保持する重要な基盤をなしています。日本糖尿病学会食品交換表編集委員会では、食事療法のテキストである「食品交換表」第7版ならびにその「活用編」第2版の改訂を受けて、これらに準拠した「カーボカウントの手引き」を患者用並びに指導者用の二冊として新に発刊しました。食事のエネルギー量の適正化と栄養素のバランスを基軸とする食事療法の中で、この力ーボカウントは糖質(炭水化物の大部分を占める)の量を正しく把握して、その適正化によって食事療法に役立てる方法です。これが第一歩となる「基礎力ーボカウント」の考え方に相当し、更にインスリン療法中の患者さんの場合には、糖質摂取量に合わせてインスリンの単位数を調整することが容易になり、これがその第二歩目となる「応用力ーボカウント」に相当します。注意すべき点として、カーボカウントの考え方、中でも「応用カーボカウント」と糖質制限がしはしば混同されることです。しかし、この方法は炭水化物や糖質の量を計算して食後血糖を適正に制御するものであり、決して糖質制限を目的とはしないことから、これらの間には明確な違いがあります。 

Ⅱ 「食品交換表」の思想と栄養バランス
 
「糖尿病の食事療法のための食品交換表」(「食品交換表」)は、昭和40年(1965年)の初版発行以来これまでに約50年間の歴史があり、我が国の糖尿病食事療法の指導に用いられてきました。禁煙の食事の中の炭水化物の適正な摂取量に関する社会的な関心の高まりを受けて、平成25年(2013年)3月に「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言」がなされたことや、前回の改訂より既に10年あまりが経過していたことから、約5年間の検討を経て、同年11月に「食品交換表」第7版が発行されました。 
糖尿病食事療法における栄養素のバランスに関しては、「糖尿病診療ガイドライン2016」に沿って、指示エネルギー量の50~60%を炭水化物、たんばく質は20%以下、残りを脂質で摂ることが推奨されています。「食品交換表」第7版では、炭水化物の割合として、60%、55%、50%の3通りを例示して、それらについて1日の指示単位(指示エネルギー量)の配分例(単位配分表)をそれぞれ掲載しています。そしてこの割合を、患者さんの合併症、肥満度、噌好などに応じて60%、55%、50%の中から主治医が選択することで、それぞれの症例に応じた柔軟な対応ができるようになっています。 

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