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2023年10月29日

食品交換表とカーボカウント(その2)

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Ⅲ 「食品交換表」に基づく糖尿病食事療法 

糖尿病食事療法の根幹をなす栄養素バランスの良い食事を作るためには、個々の症例の食習慣や噌好を聴取しながら、食品交換表の1日に指示量(例えば1,600kca1ならは20単位)を表1から表6ならびに調味料の7つのカテゴリーからバランスよく配分することで、患者さんにふさわしい単位配分表を作ります。例えは20単位の場合、炭水化物55%を選択すると、表1に9単位、表2に1単位、表3に5単位、表4に1.5単位、表6に1.2単位、調味料に0,8単位が配分されます。さらに糖尿病食事療法では朝食、昼食、タ食の3回の食事にほぼ均等に分けるようにします。また、表2や表4の果物や牛乳などは、食事に入れるか、あるいは間食として摂取します。具体的には、この単位配分例の夕食では、表1の食品の指示単位は3単位となりま す。例えばこれをごはんとするときには、「食品交換表」ではごはんは1単位50gであることから、50gX3単位=150gとなります。また表1の1単位に含まれる炭水化物含有量は18gであることから、この3単位には18×3=54g相当が含まれていることになります。
 食事の中に含まれる炭水化物(その多くを糖質が占めます)の数量をあらかじめ知ることは、血糖コントロール(中でも食後に見られる血糖値の上昇)の安定化に重要です。そしてこれは、とりもなおさず適切な基礎力ーボカウントの考え方に通じます。以上のことから、今回の「食品交換表」第7版への改訂では、新に1日の食事の中の各栄養素(炭水化物、たんばく質、脂質)の総量(g)を算出して、それぞれの単位配分表の右上に記載する方針としてあります。 

IV 「基礎力ーボカウント」の考え方と正しい糖質調整食 

糖尿病患者では、食事に含まれる糖質量に応じて生じる食後の血糖上昇が健常人と比べて大きく、高血糖の状態が長く続く場合が多い。従って、この数値を算出してあらかじめ知ることは食後高血糖を防ぐのに役立ちます。基礎力ーボカウントは、毎回の食事の中の糖質量を可能な限り一定にすることで血糖コントロールの安定化を図る方法です。原則として全ての糖尿病患者が対象となります。そして一日分の総エネルギー量と糖質量は、「食品交換表」での考え方と同様に、なるべく3食均等に配分することが推奨されています。 
日本人の伝統的な食文化に基づく和食は、「食品交換表」の表1からの主食と、おかずとしての副食(主に表3,表5からの主菜と、主に表6からの副菜ならびに汁)からなります。この中で表1の主食については、炭水化物の平均含有量が1単位当たり18gであることから、一食当たり 3単位が配分されていれば、18×3=54gとなります。一方で副食にっいては、デザートも含めると表1以外と調味料で構成されることがほとんどです。これは多くの洋食や中華料理にも当てはまります。面白いことに、「食品交換表」第7版に基づく栄養バランスの良い食事を実行すると、1日当たり15~23単位(1,200~1,840kcal)で、炭水化物の割合が60%、55%、50%のいずれの指示単位配分例を用いたとしても、副食分の炭水化物量(すなわち「食品交換表」の表1以外)の合計が60gとなります。従って、基礎力ーボカウントを含む糖尿病食事療法の原則に従ってこれらを均等に配分すると、一食当たりの副食量は全て約20gとなります。 
この「簡便法」を用いると、20単位(1,600kcV炭水化物55%)の場合、一食の主食(表1)か3単位なので炭水化物は18×3=54g、そして副食(表1以外)では20gで、これらの合計約 74gとなりますが、この値は炭水化物の1日合計量223gのほぼ1/3と合致しています。

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