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2018年9月3日

食育について(その1)

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Ⅰ はじめに

 2005年に「食育基本法」が制定された結果、現在全国各地で食農教育が活発に行われています。しかし、その多くは子供を対象にしたもので、大学生や一人暮らしの若者、あるいは働き盛りの大人や専業主婦を対象としたものはあまりありません。確かに、食習慣の形成時期である子供に対して、「食事の大切さ」を伝えて教育することは非常に重要なことですが、肥満や糖尿病、高血圧症、高脂血症などの生活習慣病が増え続けている現在では、大人に対する食育にも力を入れていくべきでしょう。
 また、子供が口にする食事は保護者が作っていることが多いため、子供によい食事を食べさせたいのであれば、調理担当者である保護者である大人にも食の重要性を認識して貰う必要があります。このような観点からしても、子供のもならず大人にも食育を行う必要があるのです。

Ⅱ 効果的な食育のために
 
 では、どのような「食育」を行えば、子供にとっても大人にとっても効果的な食育ができるのでしょうか。そのためには、楽しみながら取り組める食育・食情報の提供が大切になります。
 ところが今まで行われている栄養指導では、どちらかといえば否定的な表現が多すぎる嫌いがあるようです。例えば、「あなたは糖尿病なので、ケーキを食べてはいけません」などです。糖尿病であろうと、高血圧であろうと食を楽しみたいと思っている人は多いのです。
 本来、食育の目的は、「各自が、健康の維持・増進のために、食の自己管理能力を身につけて貰う」ことです。「食の管理能力」とは、いつ・何を・どれだけ・どのように食べればよいかを考えて、実践する能力のことです。言い換えるならば、自分のコンディションや目的に合わせた食事選びができる力=「選食力」を身につけることだともいえます。そのような力を身につけて貰うために、医師、看護師、管理栄養士たちが協力して、前向きな提案や助言を行うことで、患者さんが「やってみよう」と思えてくる様な指導が大切なのです。

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