骨粗鬆症を予防する
Ⅰ 骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは骨の構成成分である骨基質、骨塩に質的な変化はないが、量的に減少する状態のことをいいます。様々な原因で起こりますが、最もよくみられるのは、老人性骨粗鬆症と閉経後骨粗鬆症です。加齢に伴う性ホルモンの減少、栄養ことにビタミンD、カルシウム、たんぱく質の摂取不足、運動不足などを背景にして発症するといわれています。
Ⅱ カルシウム
カルシウムは骨の主成分の一つで、毎日の食事からの摂取が重要です。
食物から摂取されたカルシウムは腸管から吸収されますが、この腸管からの吸収は年齢と共に減少し、小児ではほぼ75%吸収されるが、成人では30〜40%に低下し、高齢者ではさらに低下するため、カルシウムバランスは負に傾いてしまします。このバランスを保つためには、十分なカルシウムの摂取が必要となり、一日600mg以上の摂取が必要とされています。
Ⅲ ビタミンD
ビタミンDは腸管からのカルシウムの吸収に関係します。日光に含まれる紫外線によ り皮下にあるプロビタミンDからビタミンDが作られ、さらにこれが肝臓で活性型ビタミンDになり、小腸からのカルシウム吸収を高め、正常な骨形成を促進します。食事からの摂取が不足したり、日光に当たることが少ないと問題です。
Ⅳ ビタミンK
ビタミンKには、骨を作る細胞での骨の石灰化を促進したり、骨の吸収を抑える作用があり、ビタミンKが不足すると骨粗鬆症や骨折をもたらす危険があるとされ、骨代謝に影響を及ぼす栄養因子として重要です。
Ⅴ リン
リンは骨を構成する主な成分で、カルシウムの代謝に深く関係しています。しかし、普通の食事をしていればリンが不足することはなく、むしろリンの過剰摂取が、腸管からのカルシウムの吸収に影響を及ぼし、さらには腎臓へのカルシウムの蓄積を高め、腎臓へ過大な負担をかけてしまう危険さえあります。リンは特に問題にしないでもいいでしょう。
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