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2018年11月12日

高尿酸血症と運動療法(その2)

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Ⅳ 運動による高尿酸血症
 
 運動中に血中尿酸値が上がるのは、尿酸産生の亢進と尿酸排泄低下が同時に起こるためです。

a)運動中の尿酸産生亢進のメカニズム
 運動中に尿酸の産生が一過性に亢進するのは、身体活動に必要なエネルギー貯蔵物質であるATPが代謝され尿酸の生成を亢進するためと、激しい運動が筋細胞を破壊して細胞中の核酸が分解されて尿酸産生を亢進されるためです。

b)運動中の尿酸排泄低下のメカニズム
 運動中に尿からの尿酸の排泄が低下するのは、運動中に腎臓への血流が低下する為ためです。また、激しい運動は疲労物質である乳酸やケトン体を増加させる血液を酸性に傾けるため腎臓での尿酸の濾過が著しく低下するのも原因のひとつです。

Ⅴ 高尿酸血症の運動療法

a)運動の質
 運動の質としては、血液循環がよく、腎臓の血流量が増加して腎機能が亢進するようなものでなくてはなりません。それには、全身的でリズミカルなリラックス運動が適しています。また、酸素摂取効率がよい運動が好ましく、慢性疲労や血液が酸性に傾き腎臓の働きが低下するような運動は避けるべきでしょう。

b)運動の強度
 運動の強度として、酸素を十分に供給できて、運動中に代謝されるATPの代謝が速やかに行われるような強度の有酸素運動が好ましいとされています。
無酸素運動は尿酸の過剰産生の原因ですから、このような強度の運動は決して行ってはいけません。
c)具体的な運動療法の処方
 全身的でリズミカルなリラックス運動(ジョギングや自転車エルゴメーターなど)を運動強度としては30~40%強度くらいの物足りない感じで、1回20~40分、週に3~4回行うのがよいとされています。

d)激しい運動後の整理運動の重要性
 激しい運動後の血中尿酸値を測定したところ、運動後1時間で安静時の+62%、終了後7時間後でも+54%の高いレベルを維持していることが判りました。これに対して激しい運動が終了した後で整理運動を行ってクーリングダウンをしっかり行うと、運動終了後3時間後から血中尿酸値は低下し始め、終了7時間後には+17%にまで低下していました。
 また、運動終了後には、速やかに十分に水分補給して尿量を確保することも忘れてはいけません。

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