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2020年2月3日

高尿酸血症・痛風(その1)

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Ⅰ 高尿酸血症・痛風とは
 
痛風とは、プリン代謝の異常による高尿酸血症が原因で起こる尿酸塩血症による急性の関節周囲炎と腎障害を臨床的な主症状とする疾患のことをいいます。この急性の関節およびその周囲の急性炎症を痛風発作といいます。この痛風発作は、激しい疼痛と発赤を伴うにもかかわらず、その症状は通常1~2週間で自然に治まることがほとんどです。このような痛風の基礎には、高尿酸血症という代謝異常が存在します。この高尿酸血症は先天性または後天性の代謝疾患であることが最近の研究で明らかになりました。
 この高尿酸血症・痛風の新しい治療のガイドラインが2010年1月に発表されました。このガイドラインに沿って、今日の高尿酸血症・痛風の治療について考えてみます。

Ⅱ 高尿酸血症の定義

1 高尿酸血症は、尿酸塩沈着庄(痛風関節症、腎障害など)の病因であり、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるものと定義します。性別や年齢は問いません。
2 女性では、血清尿酸値が7.0mg/dL以下であっても、血清尿酸値の上昇と共に生活習慣病のリスクが高くなりますが、潜在する疾患の検査と生活指導が大切で、この段階ではまだ内服治療の適応とはなりません。

Ⅲ 高尿酸血症・痛風の最近の動向

1 高尿酸血症の動向:わが国の成人男性での高尿酸血症の頻度は、30才以上では30%に達しています。女性では閉経後に血清尿酸値が上昇します。女性の高尿酸血症の頻度は、50才未満で1.3%、50才以上で3.7%でした。この頻度は男女ともに増加傾向にあります。
2 痛風の動向:痛風の有病率は、男性では30才以上で1%を超えていると推定され、現在も増加傾向にあります。2004年は1995年に比べて2.1倍、1986年に比べると3.4倍にも患者数が増加しています。

Ⅳ 高尿酸血症のリスク

1 血清尿酸値が7.0mg/dL以上になると、高くなるにつれて痛風関節炎の発症リスクがより高まります。
2 高尿酸血症の期間が長く、また高度であればあるほど、痛風結節はできやすい。
3 アルコール摂取量は痛風発症リスクを用量依存的に上昇させます。肉類・砂糖入りソフトドリンク・果糖の摂取量が多い人、肥満の人も痛風になりやすい。
4 コーヒー摂取量が多い人やランニング距離が長い人、適度な運動を習慣的に行っている人は痛風になりにくいことが判ってきました。

 

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