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2020年1月6日

高血圧と食塩制限(その1) 

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Ⅰ はじめに
 
わが国に高血圧症患者は約4,000万人いると推定されています。糖尿病患者での高血圧症の適切な管理は、心筋梗塞や脳梗塞などという心血管病予防の観点から最も重要な課題です。高血圧症に対する生活習慣の修正は、薬物治療の有無にかかわらず重要ですが、中でも食塩制限は食塩摂取量が依然として多いわが国では最も重要な項目といえます。

Ⅱ 高血圧での生活習慣の修正
 
日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン(JSH2009)」では、高血圧に対する生活習慣の修正項目について次のように提唱しています。

         生活習慣の修正項目(JSH2009)
     
1 食塩制限6g/日未満
2 野菜・果物の積極的摂取(但し、重篤な腎障害を伴う人では高カリウム血症をきたすリスクがあるので、積極的には推奨しない。糖尿病などのカロリー制限が必要な患者では、糖分の多い果物の過剰な摂取は勧められない)
3 コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
4 魚(魚脂)の積極的摂取
5 適正体重の維持:BMI(体重(Kg)÷身長(m)2が25未満
6 運動療法:心血管病のない高血圧患者が対象で、中等度の強度の有酸素運動を中心に定期的に(毎日30分以上を目標に)運動を行う
7 アルコール制限:エタノールで男性20~30mL/日以下、女性10~20mL/日以下
8 禁煙

 これらの修正項目を実行すると収縮期血圧が1項目に付き約5mmHg低下しますので、複合的な修正を行うことで大きな効果が期待できます。なかでも、食塩制限は、(1)高血圧の成因に対する食塩の関与、(2)わが国の食塩摂取量が依然として多いこと、(3)現在汎用されている降圧薬であるアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)やアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の効果が減塩により増強すること、などの理由から最も効果的といえます。

Ⅲ 食塩摂取量の評価
 
食塩制限を行おうとする前に、各個人の食塩摂取量を評価することは基本的で大切なことです。食塩摂取量の評価は食事内容に基づく評価と、尿中食塩排泄量による評価に大別されますが、いずれの方法でも比較的正確な方法は実施が難しく、簡便な方法は信頼性が低いという根本的な問題があります。聞き取り調査による推定値は実際の摂取量を過小評価する傾向にあるので注意が必要です。
 24時間蓄尿による評価方法は最も信頼性が高いため、現在ではこの蓄尿による食塩摂取量評価が一般に行われるようになりました。厚労省の調査によると、平均食塩摂取量は日本人全体では11.4g/日、愛知県民は10.7g/日という結果がでています。

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