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2020年1月14日

高血圧と食塩制限(その2) 

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Ⅳ 高血圧患者における食塩摂取の現状
 
ある調査研究によると、高血圧患者でガイドラインが提唱する食塩摂取6g/日未満の達成率は男性で6.6%、女性で10.3%と極めて低率でした。この理由のひとつに、肥満があります。
食塩摂取量の最も大きな規定因子は体重です。いくら「薄味」にしていても食事摂取量が多ければ、食塩摂取量も増えることになります。すなわち、肥満している人が多いメタボリックな高血圧患者では、カロリー制限による減量による塩分摂取の低下が期待できるのです。

Ⅴ 減塩指導の有効性と限界
 
24時間家庭蓄尿を行うことで、実際に患者自身の塩分摂取量を理解して貰いながら、減塩指導を行うことで厳格な塩分制限がどこまで実行できるかを調べた研究があります。その結果によると、1年以上の観察期間で、平均食塩摂取量が6g/日未満のものが10.3%で、必ず6g/日以下だったものは僅かに2.3%だったそうです。このことからも、6g/日未満の食塩制限の継続的遵守が以下に困難であるかが理解できます。
 先にも述べたように、「メタボリックな高血圧患者」での減塩指導には、カロリー制限や運動療法による体重減少が必要ですが、3ヶ月間という短期間の調査でも、カロリー制限、食塩制限、運動などの生活習慣の複合的な修正に成功した人が極めて少なかったという結果でした。

Ⅵ 今後の課題
 
減塩の必要性に対する認識は高まってきていますが、実際に実行に移したり、長期間に亘り遵守し続けることはとても難しいことです。このためには、減塩指導を行う側の体制や指導方法の確立など、解決しなければならない多くの問題があります。患者のみなさんが学びやすく、実行可能な食塩制限方法の確立が急がれています。
 現在は、包装食品栄養表示は食塩量ではなくNa表示が義務づけられているため、Na表示(g)を2.5倍して食塩量に換算しなければなりませんので、注意が必要です。
 幼児期の減塩はその後の血圧上昇を抑制する可能性が報告されていることや、大人になってからの減塩が容易ではないことを考えると、幼児期や青少年期からの減塩指導という教育が今後必要になるのかもしれません。

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