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2016年11月28日

高齢者と糖尿病(その2)

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Ⅳ 高齢者の糖尿病の特徴

 長寿科学総合研究班の調査によると、日本人の高齢者の糖尿病の特徴は
1)空腹時血糖値が140mg/dl以上になると、網膜症が高頻度になる。
2)ヘモグロビンA1cが7.5%以上になると、腎症が高頻度になる。
3)空腹時血糖値が140mg/dl未満でも、糖負荷後2時間血糖値が250mg/dl以上になると、網膜症が高頻度になる。
4)微量アルブミン尿があると、顕性腎症に移行しやすい。
5)空腹時血糖値が140mg/dl以上になると、心筋梗塞や狭心症などが発症しやすくなる。

Ⅴ 高齢者の治療は難しい
 
 高齢者では、糖尿病に特有な細かい血管に起こる合併症以外に、動脈硬化症、すなわち狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの太い血管の合併症が際だって多くなってきます。この他、男性では前立腺肥大症や各部の癌、女性では骨粗鬆症や高脂血症などを併発することがよくあるため、糖尿病の治療が複雑になり、薬の種類も増えてきます。幾つかの病気になり、それぞれの専門家を受診していると、結果として多くの薬が処方され、それらの薬の相互作用による副作用も無視できなくなることもあります。

Ⅵ 高齢者ではうつの傾向が増えてきます
 
 高齢者では、うつの傾向の方が、対人口比で増えてきます。体力が弱くなり、自分の病気の先行きが不安となり、家族や友人との交流などが限られていき、伴侶が亡くなるなど悲しいことも起きるからです。うつになると、引きこもりがちになり、活動性がめっきり弱ってきます。

Ⅶ 高齢者の血糖値の特徴
 
 高齢者では、空腹時の血糖値がよくても、食後の血糖値が予想外に高いことがよくあります。食後の血糖値が高いと、動脈硬化症の進行が早まるといわれていますが、食後の血糖値が250mg/dlを越えなければ、重篤な合併症は心配ないといわれています。

Ⅷ 家族の人が注意すること
 
 高齢者で注意しなければならないのは、夜中に起こる無自覚性の低血糖です。急に、「うつ傾向」が出てきたり、呆け症状を感じたり、元気がなくなってきたら、家族の人は夜間の低血糖を疑ってみて、主治医に相談してください。

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