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2019年9月14日

高齢者糖尿病の食事療法(その2)             

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Ⅱ 高齢者の栄養問題

2)高齢者のエネルギー代謝の減少
 
高齢者では徐々に体の組成に変化が生じてきます。脂肪組織の割合が増加して、筋肉・骨格といった除脂肪体重が減少します。その結果、基礎代謝が低下します。年齢別食事摂取基準に記載されている基礎代謝量をみると、70才以上男性は1230Kcal、女性1030Kcalとなっています。「糖尿病食品交換表」で第4版まで用いられていた基礎食という考え方が1日1200Kcalでしたが、ほぼそれに相当するエネルギー量といえます。ちなみに30~40才の基礎代謝量は男性1520Kcal、女性1140Kcalで、70才以上の場合と比べておおよそ100~300Kcalの差で、それほど大きな違いはありません。基礎代謝よりも身体活動時のエネルギー消費が成人と高齢者で大きな開きを生じているのです。高齢者の身体活動レベルは青壮年期の約85%のエネルギー量と評価されています。すなわち、座位中心であるような低い身体活動レベルの日常生活では、成人と前期高齢者のエネルギー消費は大きく変わらないけれど、移動や立位の多い、あるいは活発な身体活動の多い生活では成人と高齢者ではエネルギー必要量が大きく異なってくるのです。

3)炭水化物と脂肪
 
高齢者における炭水化物摂取目標量は成人と変わらず、男女ともエネルギー比50~70%とされています。総脂質のエネルギー比は年齢により異なった目標値が設定されていて、男女とも20才以下では20~30%、30~69才では20~25%、そして70才以上の高齢者では15~25%と脂質の下限が低く設定されています。

4)蛋白質と蛋白質エネルギー栄養障害(protein energy malnutrition:PEM)
 
高齢者の栄養では、蛋白質エネルギー栄養障害(PEM)が問題となります。PEMは食事摂取量の減少、運動減少、消化器系機能低下のために生じますが、血清アルブミン値が3.5g/dl以下に低下した場合を指します。血清アルブミン値がそこまで低下しなくても、高齢者では蛋白質摂取不足になりやすいのです。年齢別食事摂取基準では、70才以上の蛋白質摂取推奨量は成人と変わらず、男性60g/日、女性50g/日です。しかし、蛋白質エネルギー比の目標は、18~69才では20%未満ですが、70才以上では25%未満と定めて、同じエネルギー量でも蛋白質の比率を高くしています。

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