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2022年1月24日

LDLとHDL(その1)

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Ⅰ  リポ蛋白とは何か
 
私たちの体にはコレステロール(CHO)と中性脂肪(トリグリセリド:TG)という2種類の脂肪成分があります。コレステロールはヒトの体の中で大切な働きをする、ヒトの体になくてはならない物質です。コレステロールは細胞膜をつくる材料として必要ですし、多くのホルモン、ビタミンや胆汁酸などの基本構造材料としても使われています。一方、中性脂肪はエネルギーを貯蔵するという大切な働きがあります。このため、これらの2つの脂質は私たちの体の全身で使われています。しかし、コレステロールと中性脂肪は油ですから、血液という水とは分離してしまい上手に融合して、血液中を全身に運ばれていくことができません。このため私たちの体には,コレステロールや中性脂肪などの油を血液という水の中を目的とする臓器や器官まで運ぶ輸送するシステムがあります。このコレステロールと中性脂肪という油を運ぶための輸送船の役割をする物質のことをリポ蛋白とよびます。リポ蛋白とはリポ,すなわちリピッド(油)、を運ぶタンパクという意味です。私たちの体はコレステロールと中性脂肪を蛋白の小さな粒子で覆って、あたかも小さなタンパク質粒子(タンパク質は水に溶けます)のような形にして血液という水の中を上手に泳がせて、全身に運んでいるのです。

Ⅱ  リポ蛋白には何があるのか
 
リポ蛋白には様々な種類のものがあり、その働きも異なることが判ってきました。そこで、リポ蛋白をその働きに応じて分類する必要がでてきましたが、リポ蛋白粒子の密度(Density)や大きさで分類するとよいことがわかりました。この結果、高密度(High Density)なものから低密度(Low Density)なものまで数種類のリポ蛋白(Lipo-protein)が同定されました。その中でもLow Density Lipo-protein:LDL)とHigh Density Lipoprotein:HDL)が動脈硬化との関連で最も重要なリポ蛋白であることが明らかになりました。これ以外にもカイロミクロン、VLDL(Very Low Density Lipoprotein)など多くのリポ蛋白が私たちの体にはあり、それぞれ重要な役割を果たしています。

Ⅲ  LDLコレステロールとは
 
LDL-Cは動脈硬化の初期病変の形成から進展までの全過程で重要な働きをします。
①リポ蛋白粒子(主にLDL)の内膜への浸潤
 LDL粒子は細胞膜外側構造物(マトリックス)に結合して、停滞している間に、酸化されて酸化LDLに変化します。この酸化LDLは普通のLDLよりも動脈硬化をより強く促進します。
②単球やTリンパ球を集める
 動脈硬化初期には血管内皮細胞に単級やTリンパ球が接着して、内皮細胞間を通り抜けて内皮下組織に浸潤して動脈硬化を起こします。LDLはこの反応を促進します。

 

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