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2021年8月2日

味覚障害について(その2)

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Ⅲ 味覚障害の原因
 
原因として一番多いのは、食事内容が原因で血清亜鉛が低下している亜鉛欠乏性食事性味覚障害です。次いで、やはり食事が原因と考えられていますが、血清亜鉛値がまだ正常範囲内にある場合で、「特発性」と分類されています。また、原因不明の「心因性」味覚障害が3番目に多い原因として知られていますが、薬剤性味覚障害も無視できません。薬剤には240種にも及ぶ亜鉛キレート脳を有するものがあり、これらの薬剤を複数服用することで、血清亜鉛値が低下していることが原因です。この様な場合は、薬剤を変更して亜鉛投与をすることで速やかな症状の改善が認められます。
 口腔疾患のうち、唾液分泌不全も亜鉛治療による分泌量の上昇で味覚障害は改善します。
 
Ⅳ 「特発性」味覚障害とはなにか
 

血清亜鉛値が一応正常な特発性味覚障害の原因は何でしょうか。
 味覚障害は年齢別にみると高齢者に多くみられます。もし老人性味覚障害があるとすれば、特発性の頻度は高齢者に多くなるはずですが、実際には青壮年層のほうが圧倒的に多いのです。特発性の症例も亜鉛欠乏性と同じで亜鉛内服治療が有効なことと、動物実験の結果などから、特発性は食事性潜在性亜鉛欠乏症であろうと考えられるようになりました。

Ⅴ 日本人の血清亜鉛の正常値ー下限は80μg/dL
 

靱帯は20の元素で構成されています。亜鉛は量的には微量元素に分類され、体重70Kgのヒトの亜鉛総量は2.3gと微量ですが、その働きは多岐にわたります。まず120種以上の酵素の活性中心を形成(亜鉛酵素)し、180種以上の酵素が亜鉛の存在下で始めて活性化(亜鉛要求酵素)されます。
 すべてのDNA-、RNA-ポリメラーザあるいはDNA、RNAの修復、複製に関与する酵素は亜鉛酵素で、これらの酵素の亜鉛含量が低下した場合、情報伝達錠のエラーが起こりやすくなることが分かってきました。亜鉛は細胞にとっては構造上も機能的にも最も必要性の高い元素です。1/2は血液中(筋肉)に、1/4~1/3は骨に含まれています。血液中の大部分は赤血球の炭酸脱水素酵素として存在し、12~22%が血清中、4%が白血球に存在します。
 血清中の亜鉛量は、食事摂取の影響や日内変動があるため、午前の採血結果に比べて午後の結果は20μg/dL程度低い値になります。
 血清亜鉛の測定結果は検査方法によるバラツキが無視できない問題で、これまで日本人の血清亜鉛の正常値には諸説がありましたが、放射性亜鉛67の体内動態を調べ、亜鉛栄養の正常と低下を分ける作業を行った結果、
日本人の血清亜鉛の正常値  80~130 μg/dL
と定められ、79μg/dL以下を亜鉛欠乏症とすることが決まりました。

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