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2016年7月25日

やせ薬について(その1)

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Ⅰ はじめに 
 
 この世の中に、みなさんの希望通りに、楽してスリムにやせさせてくれる薬はありません。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどに、やせ薬の広告が氾濫していますが、そのほとんどは誇大広告です。宣伝通りに、肥満をたちまち解消してくれる薬はこの世の中にひとつもありません。「生薬とか漢方薬とかは安全にやせさせてくれる」というのも、中国製のやせ薬で死亡した例が多くみられたことでも判るように、迷信にすぎません。
 肥満の解消は現代の医学でも大きな問題ですから、昔から多くの研究がなされ、幾つかのやせ薬が開発され、実用化されているのも事実です。しかし、そのような薬は、バランスよく減量するのを補助することを目的に開発されていますから、食事制限をしないで幾ら食べても、どんどんやせていく、というような薬ではありません。
 今回は、現在世界中で利用可能な「やせ薬」について考えてみます。

Ⅱ 現在我が国で利用できるやせ薬
 
 食欲抑制薬マジンドール(商品名サノレックス)
 現在我が国で唯一厚生労働省が認可している「やせ薬」です。
 この薬の作用メカニズムは、大脳の食欲中枢に作用して摂食行動を抑制することにあります。この薬の効果をみたデータでは、1ヶ月に約1Kgの減量効果がみられます。この薬は少量から内服を始めて、副作用などの安全性を確かめながら、内服量を徐々に増量していくことと、連続して三ヶ月間以上は処方してはいけない、という厚生労働省の指導があります。このため、実際の効果がみられ始めた頃に内服を中断しなければならないという矛盾があります。したがって、この薬で十分な減量効果をあげることができたという症例が少ないのが現状です。

Ⅲ アメリカで使われているやせ薬
 肥満天国のアメリカでは、やせ薬は大きな市場です。このため、我が国に比べて、多くのやせ薬が認可され、販売されています。やせ薬には、医師の処方箋がなければ入手できないものから、街のドラッグストアーで簡単に買えるものまで数多くあります。海外旅行のお土産としてやせ薬を買ってきたり、お土産として貰った経験がある人も多いはずです。しかし、これらのやせ薬の中には、効果の疑わしいものや、安全性に問題があるものも少なくありません。アメリカで売っているのだからと盲信するのは危険です。
 次回は、具体的に個々のやせ薬について論じます。

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